today::エンジニアに憧れる非エンジニア

今のところは、エンジニアとは言えないところの職種です。しかしエンジニア的なものの考え方に興味津津。

建設と損益、損建区分

題名記載のNTT用語についての解説記事です。

前提 - 固定資産の修繕は、財務諸表にどう計上するか

固定資産の修繕に対する財務諸表上の扱いは、その態様により、以下の2種類に分類されます。

  • 資本的支出…固定資産の増としてB/Sに計上する場合
    • 資産寿命の延命や資産価値の増大を伴う修繕
    • 以降、減価償却の対象となる
  • 収益的支出…修繕費としてP/Lに計上する場合
    • 資産寿命の延命や資産価値の増大を伴わず、単なる固定資産の機能維持にとどまる修繕
    • 減価償却の対象とはならない

「建設」や「損益」というNTT用語は、上記「固定資産の修繕に対する財務諸表上の扱い」と関係が深い概念です。

固定資産の修繕に関するNTT用語

建設

固定資産に対する支出のうち、固定資産規模の増加を伴うものを指すNTT用語です。「資本的支出」を指すNTT用語と考えてよいでしょう。 より具体的には、「建設勘定」「建設工事」などといった形で使われます。

損益

固定資産に対する支出のうち、固定資産規模の増加を伴わないものを指すNTT用語です。「収益的支出」を指すNTT用語と考えてよいでしょう。 より具体的には、「損益勘定」「損益工事」などといった形で使われます。

なお、損益工事に該当する工事の例としては、以下が挙げられます。

  • 電柱等の支障移転工事
  • 引込線撤去工事

NTT通信建設業界においても、「損益工事」という単語が説明なしに使われることがあります。例えば、ミライト・ホールディングス 2019年3月期 決算説明会資料には以下の文言があります。

NTTの投資は減少傾向だが、引込線整理・撤去などの損益工事は堅調

損建区分

固定資産に対する支出が「建設」に属するか「損益」に属するかを示す区分、あるいはその区分行為のことを指すNTT用語です。