today::エンジニアに憧れる非エンジニア

今のところは、エンジニアとは言えないところの職種です。しかしエンジニア的なものの考え方に興味津津。

NTT加入者線路の光クロージャ

前文

プログラミングの世界におけるクロージャといえば、「変数のスコープを関数で切る技術」「前に関数から抜けたときの状態が、次に関数を呼び出したときに再現される関数」といった概念を指します。

しかしながら、NTT通信建設業界において、「クロージャ」という言葉は、プログラミングにおけるそれとは違う概念を指します。NTT通信建設業界におけるクロージャの意味、それは、「通信ケーブルの接続や分配を行うための端子ボックス」なのです。

この項目では、NTT通信建設業界で「クロージャ」として言及される概念の中でも、電話局から加入者設備までの線路で用いられる光クロージャについて説明します。

前提知識

「どの光クロージャを使うか」というのは、主に「光配線区画システムのどのポイントで光クロージャを使うのか」「光クロージャに収容される光ケーブルの種類は何か」という2点によって違ってきます。

また、通信線路関係においては、電話局側を「上部」、加入者設備側を「下部」と呼びます。

光配線区画システム

f:id:rapidliner0:20200212211852j:plain
↑光配線区画システムのイメージ図(図はNTTアクセスサ-ビスシステム研究所から引用)

  • NTT東西のフレッツ光においては、1Gbps~10Gbpsの帯域を32加入で共有している
    • 2020年4月以降、アクセス回線10Gbpsのサービスが順次開始されている
    • フレッツ光の設備全体を使う光コラボでも同様
  • 戸建て向けのフレッツ光の場合、以下の要領で32分岐される
    • NTT局舎内で4分岐
    • 上図「配線点」で8分岐
  • 集合住宅向けのフレッツ光の場合は以下のようなパターンがある
    • 集合住宅の主配線盤で32分岐(4分岐→8分岐×4)
    • NTT局舎内で4分岐→集合住宅の配線板で8分岐
  • 上図「分配点」では、単心線集合型の光ケーブルとドロップ光ケーブルを接続している
    • 配線点から先を流れる光信号は、32分岐後の光信号である
    • 加入者宅への引込みは、ドロップ光ケーブルの形で行われる

架空光ケーブルに関する用語

SSケーブルと丸型ケーブル

「SSケーブル」とは、支持ワイヤが一体化されたケーブルのことを指します。断面はダルマ型となります。ケーブル種類としてSSケーブルであることを明示する場合、「SS」という略号が用いられます。

「丸型ケーブル」とは、支持ワイヤが一体化されていないケーブルのことを指します。ケーブル種類として丸型ケーブルであることを明示する場合、「ANS」という略号が用いられます。

架空光ケーブルの種類

SSZ/ANSZケーブル
  • 架空区間に使用されるケーブルの一種
  • 主に配線点上部に使用される
  • 多数の4心間欠接着型光ファイバテープ心線により構成されるケーブル
    • 6テープ24心以上
    • 50テープ200心以下
SSW/ANSケーブル
  • 架空区間に使用されるケーブルの一種
  • 主に配線点上部に使用される
  • 多数の4心テープ型光ファイバテープ心線により構成されるケーブル
    • 6テープ24心以上
    • 50テープ200心以下
単心SM型光ファイバSS/ANSケーブル
  • 架空区間に使用されるケーブルの一種
  • 主に配線点下部に使用される
  • 単心光ファイバ心線24本または40本により構成されるケーブル
DZ/DZ-ANSケーブル
  • 架空区間に使用されるケーブルの一種
  • 配線点下部に使用される
  • 心線構成は以下のいずれか(いずれもケーブル全体の断面形状は同じ)
  • DZケーブルは支持線あり
  • DZ-ANSケーブルは支持線なし
DF/DF-ANSケーブル
  • 架空区間に使用されるケーブルの一種
  • 配線点下部に使用される
  • 単心光ファイバ心線8本により構成されるケーブル
  • DFケーブルは支持線あり
  • DF-ANSケーブルは支持線なし

ドロップ光ファイバ

  • 加入者宅に直接引き込まれる光ファイバ線路
  • 心線数は「1心」「2心」「4心テープ」「8心テープ」がある

架空光クロージャの種類(現行品)

3号AOクロージャ

  • 3号AOクロージャ「Z-C」
    • SSZ/ANSZケーブルの接続点・配線点に使用
    • 接続対象のケーブルの組み合わせにより、配線点下部の接続点に用いられる場合もある
  • 3号AOクロージャ「S-C」
    • 配線点上部における、単心SM型光ファイバケーブルの接続点・配線点に使用
    • 接続対象のケーブルの組み合わせにより、配線点下部の接続点に用いられる場合もある
  • 3号AOクロージャ「R-C」
    • SSW/ANSケーブルの接続点・配線点に使用
    • 接続対象のケーブルの組み合わせにより、配線点下部の接続点に用いられる場合もある
  • 3号AOクロージャ「OR-C」
    • 旧型架空光ファイバケーブルの接続点・配線点に使用
    • 接続対象のケーブルの組み合わせにより、配線点下部の接続点に用いられる場合もある
    • 「旧型」というのは、「工法上、テープ心線を単心線に分離できない」ことをもってその定義としている
  • 3号AOクロージャ「H」
    • き線点または3本以上の光ファイバケーブルの接続点に使用

AOTクロージャ

  • AOT-Sクロージャ
    • DF/DF-ANSケーブルの接続点・分配点に使用
  • AOT-Mクロージャ
    • 配線点下部における、単心SM型光ファイバケーブルの接続点・分配点に使用
    • 配線点下部における、DFケーブルとその他のケーブルの接続点に使用

架空光クロージャの種類(旧仕様品)

名前のみ記載しておきます。

主に配線点上部に適用

主に配線点下部に適用

地下光クロージャの種類(現行品)

TN加入光用クロージャ

  • 所内マンホール・とう道における地下光ファイバケーブルの接続に使用
  • 管路区間のマンホールにおける地下光ファイバケーブルの接続に使用
    • 一部ハンドホールへの適用もある

UOW-Sクロージャ/UOW-Pクロージャ

  • ハンドホールにおける200心以下の光ファイバケーブルの接続に使用
  • 地下配線区間の配線点に使用
  • -Sは横からケーブルが出るタイプ(Inline型)
    • 電線共同溝の大型マス向け
  • -Pは下からケーブルが出るタイプ(Butt型)
    • ハンドホールや電線共同溝の小型マス向け

UOT-Pクロージャ

  • ハンドホールや電線共同溝におけるドロップ光ファイバケーブルの加入者引き落としに使用
  • 下からケーブルが出るタイプ(Butt型)である

地下光クロージャの種類(旧仕様品)

名前のみ記載しておきます。