第14回 光通信工事技能競技会レポート - 一般社団法人 情報通信エンジニアリング協会
課題設備の構成そのものは、上記ページにて一般公開されています。しかしながら、課題設備を構成するNTT仕様物品そのものについての解説は、インターネット広しといえども存在しません。
というわけで、この記事にて解説してみます。
どこまでがNTTの設備で、どこまでがユーザの設備か
FTTHにおける通信事業者とユーザの責任分界点は、一般に「ONUのLAN側端子」となります。当該課題設備においては、以下の設備以外は全てNTTの設備ということになります。
- 小規模テナントビルD面にあるルータ、PC、電話機
- 小規模テナントビルD面にある以下の配線類
- ONU~ルータのUTPケーブル
- ルータ~PCのUTPケーブル
- ルータ~電話機のモジュラーケーブル
- 支店事務所にあるルータ、PC、電話機
- 支店事務所にある以下の配線類
- ONU~ルータのUTPケーブル
- ルータ~PCのUTPケーブル
- ルータ~電話機のモジュラーケーブル
光ユーザ・光アクセス施工部門
小規模企業ユーザーの開通工事を題材とした課題設備です。以下の要素が含まれています。
- 地下配線区間におけるケーブル・光クロージャの新設
- 小規模テナントビル1棟・一般住宅規模の事業所1棟における光開通工事
- インターネット接続、光IP電話開通、VPN接続、Webカメラの設定を含むフレッツ光の初期設定
ケーブル類(光ユーザ・光アクセス施工部門)
40SM-WBZ
間欠接着光ファイバテープ10セット(40心)から成る地下光ファイバケーブルです。
4TSM-IFD
宅内引込みに用いるドロップ光ファイバのうち、光ファイバ心線が4心テープから成るものです。
1SM-IFD
宅内引込みに用いるドロップ光ファイバのうち、光ファイバ心線が1心単心線から成るものです。
端子函・光クロージャ類(光ユーザ・光アクセス施工部門)
UOW-S
電線共同溝用の大型ハンドホール内で、地下光ファイバケーブル同士を相互に接続するために用いられる光クロージャです。横置きで設置され、クロージャの長手方向にケーブルが流れていく構成です。
UOT-P<40Z>
ハンドホール内にある地下光ファイバケーブルの配線点・分配点で用いられる光クロージャです。縦置きで設置され、クロージャの下方向からケーブルが挿入される構成です。
光アクセス・メタル施工部門
「大型台風の通過による倒木が原因で、30心メタルケーブル1本と40心光ケーブル1本の全体が切断されたため、その復旧を行う」という課題設備です。
ケーブル類(光アクセス・メタル施工部門)
40SM-ANSZ
間欠接着光ファイバテープ10セット(40心)から成る丸型架空光ファイバケーブルです。
0.4-30CFS-R
直径0.4mmの銅線30対から成るSS型メタルケーブルです。被覆構成は「CCP-F」となります。
端子函・光クロージャ類(光アクセス・メタル施工部門)
<S>チョク3-RTB
ケーブルの分岐が発生しない箇所において、メタルケーブルの直線接続やメタル屋外線の引落しを行うために用いられる端子函です。対象設備は「心線径0.4mm・30対のメタルケーブル同士を相互に接続する」ケースなので、S型が適用されます。
3AO中継クロージャ「40」
架空区間において、光ファイバケーブル同士を相互に接続するために用いられる光クロージャです。本来は「電話局~電話局間の架空中継区間において、中継光ファイバケーブル同士の相互接続に用いられる」ことを目的とした光クロージャです。
なお、この光クロージャの存在・仕様等については、インターネット上にも全くと言っていいほど情報がありません。
メタル回線試験ツール「ALT-24」
高千穂産業株式会社から発売されている、メタル通信回線の切替工事に用いる試験ツールです。ITEA会員各社においては、回線切替工事用試験ツールのデファクトスタンダードとなっています。ITEA制定の作業ルールブックである「安全の鉄則」にも、「ALT-24による切替確認試験の実施」という記載があるほどです。