回線インフラの種類
フレッツ光
NTT東西が提供するFTTHサービスです。 NTT東西を合わせると、北海道から沖縄まで全国、大都市圏に限らず町村部に至るまでサービス提供が行われています。
サービスとしては、以下のような特徴があります。
- E-PON系の技術が用いられている
- 2020年2月時点で、アクセス回線は1Gbpsである
ダークファイバー
FTTHにおけるダークファイバー系サービスは、「物理回線はNTT東西の設備を用いるが、所内設備等は自前構築する」という提供形態のサービスを指します。
具体的には、以下のようなサービスが「ダークファイバー系FTTHサービス」に該当します。
所内設備等が自前構築であるため、フレッツ光の技術的制約にとらわれないサービス提供を行うことが可能です。 例えばNURO光では、フレッツ光と対比して以下のような特徴があります。
- フレッツ光では採用されていないG-PON系の技術が用いられている
- アクセス回線10Gbpsのサービスを2015年時点で提供開始していた
独自回線
NTT東西布設の光ファイバーケーブルを用いず、独自に布設した光ファイバーケーブルを用いるサービスもあります。 このようなサービスの提供者は、大きく「電力系通信事業者もしくはその流れをくむ通信事業者」「ケーブルテレビ事業者」に分けられます。
具体的には、以下のようなサービスが「独自回線系FTTHサービス」に該当します。
- auひかりのうち、末尾に(s)がつかないプラン(KDDI)
- 主に東京電力エリアで提供される
- トークネット光(東北インテリジェント通信)
- 東北電力系
- コミュファ光(中部テレコミュニケーション)
- eo光(オプテージ)
- 関西電力系
- MEGA EGG(エネルギアコミュニケーションズ)
- 中国電力系
- Pikara(STNet)
- 四国電力系
- BBIQ(九州通信ネットワーク)
- 九州電力系
- auひかり ちゅら(沖縄セルラー電話)
- ケーブルテレビ事業者のFTTHサービス
ダークファイバー系のFTTHサービスと同様、設備が自前構築であるため、フレッツ光の技術的制約にとらわれないサービス提供を行うことが可能です。 一部の電力系通信事業者や、一部のケーブルテレビ事業者は、2019年3月時点でアクセス回線最大10Gbpsのサービスを提供しています。
ケーブルテレビ事業者のFTTHサービスについて追記
ケーブルテレビ事業者のブロードバンドサービスは、従来「HFC」という方式によって行われてきました。 これは「幹線系のみを光ファイバー化し、ラストワンマイルは同軸ケーブルで配線する」という方式です。 しかしながら、昨今は必要帯域の要求が厳しくなり続けており、HFCでは対応しきれないところまで至っているため、ケーブルテレビ事業者のブロードバンドサービスもFTTH化が進んでいるようです(以下の記事も参照)。
卸FTTH
NTT東西や独自回線事業者から回線設備の卸を受けた事業者が、自社ブランドでFTTH事業を展開する形態のことです。
光コラボ
NTT東西「フレッツ光」の卸を受けて提供される卸FTTH事業の総称です。
フレッツ光の卸なので、提供サービスの仕様もフレッツ光と同様の制限を受けます。例えば、アクセス回線が1Gbpsを超えるサービスは提供されていません。
具体的には、以下のようなサービスが「光コラボ」に該当します。
- タイプC以外のドコモ光(NTTドコモ)
- タイプCは光コラボではない
- ソフトバンク光(ソフトバンク)
- So-net光プラス(ソニーネットワークコミュニケーションズ)
- 楽天コミュニケーションズ光(楽天コミュニケーションズ)
- IIJ光(インターネットイニシアティブ)
- その他多数
独自回線系
NTT東西以外の光回線の卸を受けて卸FTTH事業が展開される例もあります。「ケーブルテレビ事業者の光回線の卸を受けて卸FTTH事業を展開する」といったケースですね。
提供サービスの仕様は、回線事業者の設備の制限を受けます。回線事業者の設備によっては、アクセス回線最大10Gbpsのサービス提供も不可能ではありません。
以下のようなサービスが「独自回線系卸FTTH」に該当します。