具体的な類似点
NTT通信建設工事は、同じ建設業であっても、民間建築工事より公共工事・民間土木工事に類似する事業内容となっています。 具体的な類似点は以下のようなところです。
- 発注者がプロであることが前提
- 一般的な民間土木工事と同様、発注者はインフラ事業者である
- 発注者側に、発注内容について精通している者も多い
- 発注者側による施工段階での関与が多い
- 公共工事の前払金保証事業に関する法律上の公共工事に該当する
- 受注にあたり、経営事項審査制度に基づく評価点が必要となる
- 法令で定める関係基準への適合が求められる
- 発注者側で基本設計・工事監理を行う
- 設計施工分離発注が一般的である
- 発注者側で設計・工事監理を行う前提のもと、施工事業者の競争性を確保するため
- 設計や工事監理に関する業務について法律の定めがない
民間建築工事との相違点
一方で、「民間事業者向けのLAN構築」「オフィスにおける無線LAN環境の構築」等は、同じ通信建設工事であってもNTT通信建設工事の類似点は少ないです。 これらはむしろ民間建築工事との類似点が強い事業といえます。
NTT通信建設工事・民間土木工事等と対比した場合、民間建築工事の特徴は以下のようなものがあります。
- 発注者の能力は多種多様
- 民間土木工事の発注者並みの能力を持つ発注者(マンションディベロッパー等)も存在する
- 建設工事の発注に明るくない発注者(一般の事業会社、個人等)による発注も多い
- 公共工事としての法的制約は、多くが適用されない
- 受注にあたり、経営事項審査制度に基づく評価点が必要とならない
- 発注者と設計・監理者が異なる
- 設計施工一体発注が採用される場合がある
- 新規性が高く、前例のない部分が多い案件に向く
- 一方で、設計施工分離発注が採用される場合もある
- 設計や工事監理に関する業務について法律の定めがある
就職・転職活動を行う方々へ
就職・転職を考えている方々には、「公共工事主体の建設会社や民間土木工事主体の建設会社を志望対象とするなら、NTT通信建設業界も選択肢として検討する価値がある」と言いたいです。 対象とするテクニカルスキルの内容は違えど、業界特性や業務の進め方は類似性が強いからです。 逆に、土木系ではなくIT系の仕事をしたい人にあっては、正直NTT通信建設業界の企業(特にNTT工事を行う部署に配属される場合)は向かない可能性が高いです。
「NTT通信建設業界」に属する具体的な会社名としては、情報通信エンジニアリング協会正会員17社に名前がある会社が挙げられます。
土木系の学生さん、公共工事や民間土木工事でキャリアを積んできた技術者の皆さん、NTT通信建設業界にカモン!
関連リンク
- 契約関係とその規律について - 国土交通省
- 6ページ「(参考)建設工事の態様別の特徴」を参照
- 相次ぐ偽装があぶり出す発注者責任 | 日経クロステック(xTECH)