today::エンジニアに憧れる非エンジニア

今のところは、エンジニアとは言えないところの職種です。しかしエンジニア的なものの考え方に興味津津。

ガントチャートとバーチャートの違い、およびバーチャートのアンチパターン

ガントチャートとバーチャートとは

ガントチャートは、「プロジェクトを構成するタスクを上下方向に並べ、横軸に進捗率または日時を取り、左右方向に線を伸ばしていく」という図面です。進捗管理のツールとして広く用いられています。

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一般的には、横軸に進捗率を取るものも日時を取るものもまとめて「ガントチャート」と称されています。一方で、建設業法上の資格の一種である「○○施工管理技術検定」においては、一般的にガントチャートと総称されるものを、さらに2つに分けています。以下その定義です。

  • ガントチャート…横軸に進捗率をとるもの
  • バーチャート…横軸に日時をとるもの

普段我々が「ガントチャート」と称するものは、施工管理技術検定的には「バーチャート」を指す場合が多いです。

なお、金融・証券業界においては、バーチャートというのは全く別の概念を指します。「バーチャート」というキーワードでWeb検索をかけると、金融・証券業界におけるバーチャートが検索結果に含まれるので注意が必要です。

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バーチャートのアンチパターン…「逆線表」と「気合線表」

バーチャートは進捗管理のツールとして大変広く用いられています。しかしながら、「バーチャートが実効性を失う事態につながるアンチパターン」も存在します。そのようなアンチパターンの中で代表的なもの2つが、「逆線表」と「気合線表」です。

「逆線表」というのは、「先に納期を決めて(往々にして決まっていて)、納期から順にタスクを割り付けていく」という作り方がなされたバーチャートを指します。一方の「気合線表」というのは、「最初から達成不可能であることが明白な、無理な期間設定がなされたバーチャート」を指します。

気合線表の有害性

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気合線表の有害性は、以下の2つであると認識しています。

  • 進捗を測定する手段がなくなる
  • スケジュールを守ろうという意識がなくなる

前者の「進捗を測定する手段がなくなる」というのは、「全く当てにならないスケジュールのみが存在する」ゆえの帰結です。後者の「スケジュールを守ろうという意識がなくなる」というのは、「最初から達成不可能であることが明らかなスケジュールである」ゆえの帰結です。

逆線表がアンチパターンである理由

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逆線表がアンチパターンである理由は、大きく以下の2つがあると認識しています。

  • 往々にして、「何を作るのか決まっていないのに、納期だけが先に決まっている」というパターンとセットで出現するものであるため
  • 各タスクに割り当てられた期間に、多くの場合根拠がないため

上記2つはセットで出現する場合も多いです。「何を作るか決まっていないから、どのようなタスクが必要かも見当がつかない。ゆえに、タスクそのものが適当に設定されており、そこに割り当てられた時間にも当然根拠がない」といった形ですね。