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同人誌即売会、グッズのセールスと小説のセールスはまるで違う

概要

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「サークル売り子として、グッズ系のサークルでも小説系のサークルでも完売御礼に導いた」という囃ちづるさん。囃ちづるさんの「頒布物のセールスに関する解説」は、私も「おおっ」と思うものでした。その「頒布物のセールスに関する解説」が、こちらのツイートから始まる一連のツイートです。本記事では、こちらのツイートから始まる一連のツイート群について、私見を交えつつ解説していきます。

前提

大前提として、人間は視覚優位の生物です。人間にとって、イマジネーションの主たる起点は視覚情報です。人間であれば、視覚情報を得られない対象をイメージするのは本質的に難しい行為です。ゆえに、セールスのアプローチを考えるにあたって最重要のポイントは「売り物の中身を視覚的に認識するのがどれだけ容易であるか、もしくは困難であるか」となります。(この段落は私見となります)

上述の大前提から、同じ「同人誌即売会の頒布物」としてカテゴライズされる品目であっても、グッズ1と小説では全く違った性質があることが容易に導けます。

  • グッズならば、それが何であるかはぱっと見で明確にわかる
  • 小説ならば、それが何であるかは内容を仔細に読んでみなければわからない

以上の前提を踏まえると、「グッズと小説ではセールスのアプローチが全く違ってくる」「適しているであろうセールスのアプローチは、グッズであれば百貨店の販売員型であり、小説であれば実演販売員型である」…というのが元となるツイート群の主な意見となります。

どのような売り物であっても共通のやり方

「グッズと小説ではセールスのアプローチが全く違ってくる」とはいえ、どのような売り物であっても共通のやり方は存在する…と元ツイート群では説明されています。

  • 立って、自然な大きさ・少し高めの声で呼びかける
  • 目が合ったら笑顔で
  • 一般参加者を受け入れる姿勢を示す
    • 「無償配布品だけでも」「ペーパーだけでも」など

私としては、「サークルスペースの前を通る人は、ひとまず『自サークルの頒布物を購入してくれる可能性のある人』であると考える」「まずは受け入れ、好印象を与える」というスタンスを行動で示すのが良い結果に結びつく…ということなのだろうと思います。

グッズ型の売り物の場合

項「前提」の記述を踏まえて、グッズ型の売り物の特徴としては、以下のような事柄が導けます。

  • それが何であるかについて、詳細な説明が要らない
  • 買うか買わないかは初見数秒で決まるのが一般的である
  • ゆえに、売り物自体について、売り手側が積極的に働きかける必要がない

その結果、グッズ型の売り物の場合、セールスのアプローチのポイントは以下のようなものになる…と元ツイート群では説明されています。

  • 頒布品についての話は手短に済ませる
  • 相手の服装・戦利品等を褒める
  • 相手の話を聞く場面を設ける

小説型の売り物の場合

項「前提」の記述を踏まえて、小説型の売り物の特徴としては、以下のような事柄が導けます。

  • それこそ手に取って本を開くまで内容がわからない
  • それが何であるかを知るためのハードルが高い
  • ゆえに、売り物自体について、売り手側が積極的に働きかける必要がある

その結果、小説型の売り物の場合、セールスのアプローチのポイントは以下のようなものになる…と元ツイート群では説明されています。

  • 売り物の魅力を手短に話す
  • 相手に売り物を渡し、内容を見てもらう
    • その時に、相手の注目を惹きそうなキャッチフレーズとともに
  • 細かい内容は話さずに、抽象的に売り物を褒める

その他の特徴を持つ売り物

(この項は、全体が私見となります)

グッズ型であっても、より説明が必要となるケースはあるでしょう。例えば以下のようなケースです。

  • キャラクターと何らかの他概念を組み合わせたもの
  • キャラクターイメージを抽象化し、再構築の上でグッズとして構成したもの

オリジナル楽曲をはじめとする音系の売り物は、小説系の売り物に近い特徴を持つ売り物です。音系の物品は、視覚ではなく聴覚ありきの物品であるからです。

また、無形物2を売るにあたっては、「小説系の売り物の売り方」を小説そのもの以上に突き詰めていく必要があると思います。

結語

  • 人間は視覚優位の生き物であるゆえ、グッズと小説ではセールスのアプローチが全く違ってくる
  • どのような売り物であれ、まずは購入者となりうる人を受け入れ、好印象を与えるところから
  • 「グッズ」「小説」以外のカテゴリーの場合、セールスのアプローチは「対象物はどれだけ視覚的に認識しやすいか」を念頭において考えよう

こんなところでしょうか。


  1. 本記事において、「小説」と対置して使う「グッズ」は、「キャラクターの画像が印刷・彫込等されているもの」を指すものとします。

  2. 「情報」「コミュニティ」「プラットフォーム」などが該当します。