主催者「情報通信エンジニアリング協会」とは
NTT東西発注の通信設備工事を元請けとして受注する企業による業界団体です。 略称はITEAです。この記事でも、以降は同協会を「ITEA」と呼称します。
光通信工事技能競技会概要
施工力を競う光通信工事技能競技会 - 情報通信エンジニアリング協会
NTT東西規格のアクセス工事を対象とした競技大会です。毎年1度、原則として東日本エリア・西日本エリアの持ち回りで実施されます。
参加資格
「ITEA会員企業」という資格に限られます(但し、協力会社所属の作業員を選手として派遣する企業は存在します)。ITEA会員ではない一般の参加はできません。
参加資格が存在する理由としては、以下のようなものであると推測します。
- NTT通信建設工事でしか使わないような特殊な材料・工具・工法が必要とされる
- 工法・工事規格がNTT東西の企業秘密とされている
- NTT東西の通信建設工事を元請けで受注できるのは、事実上ITEA会員企業のみである
- NTT東西の電気通信設備請負工事競争参加資格を有する企業は、ITEA会員企業と完全に一致する
なお、選手のみならず、審査員もITEA会員企業の資格で派遣されます。
特殊材料・特殊工具・特殊工法の例
「NTT通信建設工事でしか使わないような特殊な材料・工具・工法」としては、以下のようなものがあります。
これらの材料や工具については、実用上も流通形態上もITEA会員企業以外が購入することは想定されていません。
構築対象となる設備
「き線点から加入者構内までの設備全般」が構築対象の設備となります。具体的には以下のような設備が対象です。
- 引上げポイントから加入者までの架空設備
- 配線点から加入者までの地下配線設備
- 加入者構内の設備
近年は「災害復旧工事」が課題設備設定の上でのトレンドとなっています。 「有線電気通信ビジネスの成熟による設備新設の減少」「大規模災害発生の増加」などに代表される近年の動向を受けたものです。
加入者構内の設備について
加入者構内の設備構築は、実際にインターネットへの接続が可能になるところまで行います。 NTT東西の通信建設工事が前提であるため、回線契約は当然「フレッツ光」です。光コラボサービスやダークファイバー系サービス、NTTの設備を使わない独自構築系サービスは対象となりません。 なお、必要な回線契約やISP契約は、主催者側により前もって行われます。当該契約はこの大会のみに使われるための契約であり、大会終了後には契約廃止が行われます。
加入者構内設備の構築には、工事従事者には難解であろう初期設定も含まれます。例えば以下のような設定です。
その他
現場作業改善施策(NTT東西ではVE提案と呼ばれます)や安全性向上施策、NTT通信建設工事に関する新技術や新製品の展示も行われます。 その内容もまた、多くはNTT通信建設工事に特化したものであり、一般適用が難しいものでもあります。