today::エンジニアに憧れる非エンジニア

今のところは、エンジニアとは言えないところの職種です。しかしエンジニア的なものの考え方に興味津津。

「完成されすぎた業界」としてのNTT通信建設業界

NTT東西からの受注に基づいて通信建設工事を行う業界(以下NTT通信建設業界)は、一言で「完成されすぎた業界」という言及が複数ブログにてなされています。

yasakasoraiken1919.hatenablog.com

sakitablog.com

今回は、NTT通信建設業界がどれだけ完成されすぎたものであるかについて記述していきます。

業界団体である「情報通信エンジニアリング協会(ITEA)」の存在

NTT東西から直接通信建設工事を請け負う会社の業界団体として、一般社団法人 情報通信エンジニアリング協会(以下ITEA)という組織があります。

工法・工程・材料仕様に関する情報の流れとITEA

NTT通信建設工事の工法や材料仕様等については、まず発注者たるNTT東西が決定します。作業工数労務単価の基準となる工程の定義・内容も、発注者たるNTT東西が決定します。 NTT東西が決定した工法・工程・材料仕様等は、ITEAを通じて元請各社に共有されます。

NTT通信建設会社各社の人材育成とITEA

ITEAはさいたま市岩槻区及び大阪府吹田市に研修センタを有しています。いずれも座学研修から模擬設備による実地研修までに対応した研修施設です。 NTT通信建設会社各社の人材育成、特にテクニカルスキルに関する研修の開催については、各社よりITEAが実施主体となる場合が多いです。

NTT通信建設会社各社の新入社員研修についても、通信設備工事の実態そのものに関する研修はITEA主体で行われています。

ITEA主催の技能競技大会

ITEAは、NTT通信建設に関する技能競技大会として、毎年以下のような競技大会を開催しています。

光通信工事技能競技会

NTT通信建設工事を前提として、現場施工の技術を競う競技大会です。 NTT通信建設工事の工法・工程・材料仕様等が一般公表されていないこともあり、ITEA会員企業の資格でなければ出場できません。

アクセスデザインコンテスト

NTT東西が発注する通信建設工事の実施設計(基本設計はNTT東西側で行う)の技術を競う競技大会です。 工程の定義・内容をNTT東西が決定することを前提として、「すでに実施設計された設計図面に対する正確な工程適用」の技術を競う「算定競技」なる競技種目も存在します。 光通信工事技能競技会と同様、こちらもITEA会員企業の資格でなければ出場できません。

NTT規格・NTT仕様の材料や器工具を扱う商社(共購会社)

NTT規格・NTT仕様の材料や器工具を扱う商社は、特定少数しか存在しません。これらの商社を総称して、業界内部では「共購会社」と呼ばれています。

共購会社は地域ごとに1社ずつ

共購会社は「地域ごとに1社ずつ」という非競争的な構造になっています。例えば東日本に1社、東海に1社、近畿に1社…といった具合です。 特にNTT東日本の業務区域には、そうした商社はエリア全体で1社しか存在しません。

共購会社はNTT通信建設業界と強いつながりがある

これら材料や器工具を扱う商社は、通信建設会社と資本的・人的つながりを有するのが一般的です。 また、これら材料・器工具を扱う商社は、全社がITEAに特別会員として名を連ねています。

これ以上の業界再編は見込めない

2019年3月までに、ITEAの正会員企業は、全社が全国系3グループいずれかの傘下となりました。「全国系3グループ」とは以下を指します。

  • コムシスグループ
  • エクシオグループ
  • ミライトグループ

これ以上の統合は、独占禁止法上認められないでしょう。

各社似通った実態である

各社業務内容や組織風土は似通っています。「コムシスとエクシオとミライトの違いを説明しろ」と言われても、説明できるほどの違いは存在しません。

似たような地域子会社の存在

NTT通信建設業界各社は、いずれも似たような地域子会社をグループに有しています。例えば以下のような会社が該当します。

  • 日本コムシス…コムシスエンジニアリング、ウィンテック、コムシスプロミネント等
  • 協和エクシオ…サンクレックス、新栄通信等
  • ミライト…エムズフロンティア、國興システムズ、東邦建等
  • ミライト・テクノロジーズ…アストエンジ、ラピスネット、リガーレ等

NTT事業会社からの転籍者を受け入れる慣習の存在

NTT通信建設業界各社は、NTT事業会社(東・西・コム・ドコモ)やその設備系子会社からの転籍者を受け入れる慣習が存在します。経営陣から中間管理職レベルまでです。

このような慣習が存在するため、NTT通信建設業界各社において、中間管理職以上のポストはNTTグループからの転籍者で埋まってしまいます。 新卒入社の社員が経営層まで到達できる可能性は皆無といってよいでしょう。新卒入社後最初の配属先がNTT工事系部署であった場合、工事長クラスが出世の限界となります。

また、各社ともに、経営陣が歩んできたキャリアは似通ったものとなります。 経営陣のキャリアが似通っているのですから、業務内容や組織風土が似通ったものとなるのも無理はないと思います。