today::エンジニアに憧れる非エンジニア

今のところは、エンジニアとは言えないところの職種です。しかしエンジニア的なものの考え方に興味津津。

2020-10-29~10-30 つくばフォーラム 展示品メモ 線材協会「通信ケーブル」最前線 2.他5社

概要

つくばフォーラム2020 ONLINE、通信電線線材協会会員ブースのうち、テーマ「『通信ケーブル』最前線」の出展会社は合計8社。 そのうち、いわゆる「電線御三家(古河電工住友電工フジクラ)」以外の出展社の展示品についてのまとめ記事です。

古河電工住友電工フジクラの展示品については、以下の記事をご参照ください。

rapidliner0.hatenablog.com

岡野電線

古河電工系の電線メーカーです。 主として宅内・構内向けの光ケーブル・光コード、LANケーブルの製造を行っています。 「製品情報については、自社Webサイトを参照」という形となります。

エントランス動画によれば、以下の製品を取り扱っているとのことでした。

  • 12MPO付光ケーブル
  • 耐側圧光ケーブル
    • 商品名としては「ゴリラケーブル」
  • CAT6A STPケーブル
    • GIGAスクール構想関連商品」とのこと
  • 耐側圧LANケーブル

住友電工オプティフロンティア

住友電工系の電線メーカーです。 「トヨクニ電線」「住電ハイプレシジョン」の2社を前身とし、2020年6月までは「SEIオプティフロンティア」という社名でした。 主として宅内・構内向けの光ケーブル・光コード、光コネクタその他光ネットワークで使用する部品の製造を行っています。

  • 鳥害対策品BDL・BDH
    • 架空ケーブルに鳥が止まることを防ぐための商品
    • NTTフィールドテクノ関西支店との共同開発商品
    • BDLは「バードディフェンスライン」の略
    • BDHは「バードディフェンスホルダー」の略
    • 鳥害対策品関連プレスリリース
  • タフライトコード・ケーブル
  • タフライト可動用ケーブル
    • 上記タフライトコードを集合したケーブル
    • テンションメンバに抗張力繊維を用いることにより、柔軟・軽量かつ可動性に優れたケーブルとなっている

フジクラ・ダイヤケーブル

フジクラと三菱電線の合弁により設立された、産業用電線を主力とする電線メーカーです。

  • メタル通信ケーブル製品
    • CCP-F-HSケーブル
      • 鳥虫獣害のおそれがある区間に使用されるメタル通信ケーブル
      • 外被の内側を高強度ステンレスラミネートシースで覆うことにより、鳥虫獣害を防ぐ
    • ダム隔壁つきCCPケーブル
      • ガス隔壁が一体化されたメタル通信ケーブル
      • 市内電話線路のガス保守区間(地下)から地上への引き上げ部に用いられる
      • NTT物品名としては「CCP-Hダム-WB」
    • CCP-F-ESケーブル
      • 電磁誘導対策が必要とされる区間に使用されるメタル通信ケーブル
        • 高圧送電線近傍、交流電気鉄道近傍など
      • アルミ・電磁鋼帯の使用により、高い電磁遮蔽性能を有する
      • 狩猟区域において、散弾銃の銃弾によるケーブルの損傷を防ぐためにも用いられる
        • 電磁鋼帯には厚みがあり、散弾銃の銃弾は弾き返すことができるため
  • 高圧劣化診断装置
  • 細径軽量型同軸ケーブル・コネクタ
    • 携帯電話基地局の給電線等に用いる同軸ケーブルおよびコネクタ
    • 従来品と比較した場合の特徴(ケーブル)
      • 5%の細径化を実現
      • 22~25%の軽量化を実現(ケーブル種類により異なる)
    • 従来品と比較した場合の特徴(コネクタ)
      • 5~12%の小型化を実現(コネクタ種類により異なる)
      • 15~21%の軽量化を実現(コネクタ種類により異なる)
    • ローカル5G帯域にも対応しており、そちらへの売り込みを主に目指している
  • RFID通信用細径LCX(漏洩同軸ケーブル
    • 920MHz帯RFIDサービスにおいて、読み取り部として用いるためのケーブル型アンテナ

OCC

海底ケーブルを主力とする電線メーカーです。 現在は、NEC住友電工の合弁企業となっています。

  • 海底光ケーブル
    • 特徴
      • 水深8000mの高い水圧に耐える頑丈な構造
      • 25年以上の長期にわたり、安定した光学電気特性を維持する堅牢性
    • OCC海底光ケーブル 製品解説
  • M-PAC(SUSパイプ型光ケーブル)
  • 細線外装型M-PAC
    • 前述M-PACに、細線外装加工を行ったもの
    • 直接埋設・水中敷設に耐える機械的強度を有する
  • ポータブルPAC
  • 複合ケーブル
  • フルファイバHDMI 2.0
    • HDMI 2.0の伝送に必要となる信号すべてを光ファイバで伝送するシステム
      • 18Gbpsの帯域を有する映像・音声信号
      • 低速の制御信号
    • 最長300mの伝送が可能
    • 現在のところはプロトタイプであり、製品化時点ではさらなる仕様変更がありうる

西日本電線

フジクラ三井金属鉱業他らが出資する、三井系の電線メーカーです。

  • 光メタル複合ケーブル
    • 光コードと各種メタル線の複合ケーブル
      • 光コードと組み合わせるメタル線としては、「通信線」や「電源線」が例示されている
    • 光メタル複合ケーブルを採用するメリット
      • 工期の短縮
      • 配線工事コストの削減
      • 配線スペースの削減
    • メタル線の太さや光コードの実装本数は応相談
    • ケーブル外被の種類も選択可能
      • 通常のPE外被
      • LAP、HS、コルゲート等の特殊外被
      • 防鼠シース使用
  • データセンタ向け光コードケーブル
    • 光コードを複数本集合した光ケーブル
    • 最小2心から最大100心まで対応可能
    • 光コードケーブルを採用するメリット
      • 敷設・配線時の作業性向上
      • 作業中の躓き等のリスクが下がることによる安全性の向上
  • 高強度低摩擦光ケーブル
    • 1トンの荷重にも耐える高強度を実現
    • 低摩擦による各種利点
      • 管路等閉所での作業性改善
      • 配線ケーブル撤去作業時の作業性・安全性向上
  • 24心MPO付き光ケーブル
    • 片端が単心SCコネクタ×24、片端が24心MPOコネクタという構成の光ケーブル
    • ケーブル全体の細径化を実現
      • 24心ケーブル外径5.0mm×10.5mm
    • MPOコネクタによる24心一括接続を実現
  • デュアルリンクコード
    • データセンタ等において、双方向通信に用いる2心光ファイバコード
    • 光ファイバ2本を1本のコードに集約することにより、コード本数を削減し、作業性を高めている
  • 極性変換コネクタ
    • 上述デュアルリンクコードの両端に用いられている光コネクタ
    • 現場での極性変換が可能な構造となっている
  • プルタブ付きLCコネクタ
    • コネクタ本体から離れた位置で抜き挿し可能とした光コネクタ
      • 高密度実装環境においても、ケーブルを安全に抜き差しすることができる
    • プルタブはコネクタ本体から指2~3本分手前に配置されている
    • 他社類似製品の解説(三和電気工業)
      • コネクタ部の構造は西日本電線製品も同様
  • SNコネクタ
  • ブラインドコネクタ
    • LCコネクタの仮挿しに用いる、光信号を遮断するためのアダプタ
    • 所内の光コネクタ多数を一度に抜き挿しする工程での適用が想定されている
      • 支障移転工事など
    • 「ブラインドコネクタによる誤挿入防止」のからくり
      • 信号光を通さないので、光コネクタを抜いた位置に仮挿しできる
      • 復旧時も、ブラインドコネクタを抜いて挿し戻せばOK
  • カナ品名印字CCPケーブル
    • CCPケーブル外被の表示内容として、導体径・対数・品名を追加
      • NTT仕様のケーブルにおいては、これらは材料の「カナ品名」に含まれる要素である
    • 導体径・対数・品名印字のメリット
      • 撤去品の再利用時、解体確認をせずとも導体径・対数を知ることができる
      • 布設・撤去工程において、ケーブルの取り違いリスクを減らすことができる
  • 常温収縮チューブ
    • 熱源なしでケーブル接続部の防水・保護・絶縁を行うことができるチューブ
    • 商品名
      • Contube…異径形状の常温収縮チューブ
      • Quicktube…ストレート形状の常温収縮チューブ
    • 採用事例
    • 常温収縮チューブ 製品解説
  • 熱収縮チューブ

2020-10-29 つくばフォーラム NTT持株会社 代表取締役社長 澤田純氏基調講演

概要

2020年10月29日にライブ配信が行われた、つくばフォーラム冒頭におけるNTT持株会社 澤田社長の基調講演について書いた記事です。

ライブ配信が行われた時間帯は、10時15分~11時00分でした。

全体のタイトルは、「アフターコロナ社会におけるNTTグループの取り組み」というものです。

新型コロナウイルス感染症に起因する世の中のトレンド

NTTグループにおける新型コロナウイルス感染状況

NTTグループは全世界で事業を展開しているだけに、新型コロナウイルス感染症の影響も全世界レベルとなってきます。

  • 延べ感染者、世界で2400人
    • 日本国内400人
    • 日本国外2000人

なお、当該数字を算出した時期については確認できませんでした。 私が聞き取れなかっただけかもしれません。

世界地域ごとの景況感の違い

まず冒頭に、PMI(Purchasing Manager's Index)について解説がなされているWebページを記載しておきます。PMIは、50を境に上が「景況感が良い」、下が「景況感が悪い」とされます。

www.daiwa.jp

NTT澤田社長は、「PMIの値の推移」により、世界地域ごとの景況感の違いについて説明していました。

私としては、「米国や欧州と比べ、日本におけるPMIの数字の推移が遅行的であったこと」が印象に残っています。 その結果、「米国や欧州で8月にPMI50超えとなった一方、日本は9月に至るもPMI50割れ」となっている…という現状が示されていました。

ニューローカリズムグローバリズム

NTT澤田社長の講演では、「国家主義保護主義といったムーブメントの影響力の強まり」についても言及されていました。 人やモノの移動が物理的に制約される今の時代なら、なおさらその影響力は強まっているのではないかと思います。

一方で、「世界の一体化」という流れは止まらないだろうとも考えています。 我々の生活というレベルでも、今更「国際分業体制」を捨てることはできませんし、ね。

なお、NTTの事業レベルにおいては、「旧西側諸国におけるファーウェイ排除の動きが進むことによる、後述"O-RAN+vRANモデル"の新たな商機」といった影響が出ているようです。 詳しくは、後述「NTTとNECの資本・業務提携について」の項目で説明します。

ICTの環境変化

NTT澤田社長は、ICTの環境変化について、講演内で以下のような見立てを示していました。

  • 「固定通信と移動体通信の垣根」は、低くなる、もしくはなくなる方向へ進み続けている
  • プラットフォームのあり方の変化
    • 従来の垂直統合的ビジネスモデルは衰退の一途をたどるだろう

利用者から見れば、通信ネットワークの「状態」のブラックボックス化が進むとみられます。 具体的には、以下のような要素がブラックボックス化するのではないでしょうか。

  • 回線種別(有線であるか無線であるか、等)
  • 使用場所
  • 課金形態、料金体系

NTTグループの事業運営について

NTTとNECの資本・業務提携について

はじめに、関連ニュース記事へのリンクを掲載しておきます。

xtech.nikkei.com

この提携は、「通信事業者ネットワークの仮想化」という大きな流れに属するものと思われます。

  • 専門用語でいえば「O-RAN+vRANモデル」
  • 旧西側諸国におけるファーウェイ排除の流れの中で、寡占化した既存基地局ベンダーに代わる選択肢が強く求められるようになった
  • 楽天モバイルの「完全仮想化ネットワーク」が世界の注目を集めているところ

このような流れの中で、「移動体通信事業向け通信機器市場における日本の復権」を目指すというところでしょうか。

NTT持株会社によるNTTドコモ株の公開買い付け

www.bloomberg.co.jp

出来事そのものについては、一般のニュース記事でも度々言及されているところですので、もはや説明するまでもないでしょう。

今回、NTT澤田社長により、以下のようなより踏み込んだ言及がなされていました。

  • 総額4.3兆円は「経済政策レベル」であるとか
  • 合併効果が想定通り発揮されれば、グループROEが9%から13%に向上すると見込んでいる

IOWN構想について

「現時点におけるIOWN構想の力点」という感じで、NTT澤田社長により、以下のポイントについて言及がなされていました。

  • 移動固定融合コアネットワーク
    • NTT研究所とドコモ研究所の連携強化
  • O-RAN+vRAN
  • Disaggregated Computing/OS
    • ネットワークそのものがコンピューターになる世界
  • バイス
  • メディカルICT戦略

イベントそのもののオンライン化による、IOWN構想の方針変更

NTTは、米国MLBとの連携により、かねてよりUltra Reality Viewing技術の事業化に向けた実証実験を進めてきていました。

www.ntt.co.jp

しかしながら、昨今の社会情勢により、リアルイベントの開催は困難になっています。 とりわけ「大量の観衆を1箇所に集めるタイプのリアルイベント」の開催は不可能に近いというのが現状です。 そのため、Ultra Reality Viewingの事業展開にも影響が出ているそうです。

一方で、「会場以外を含む共通体験の重要性」は増している…というのが昨今の社会情勢です。 NTT澤田社長は、このような変化に関し、「多地点における無遅延伝送が重要になる」との見立てについて言及していました。

結語 - Access To IOWN

NTT澤田社長の基調講演、最後は「Access To IOWN」という標語で締めくくっていました。 結びの部分では、以下のような事柄についての言及がなされていました。

  • 今後も当分の間は、既存技術と新技術の併存が続くだろう
  • 新技術の開発にあたり、既存技術をいかに超克していくか

2020-10-29~10-30 つくばフォーラム 展示品メモ 線材協会「通信ケーブル」最前線 1.古河電工・住友電工・フジクラ

概要

www.senzai-kyokai.jp

2020年10月29日から10月30日まで開催されていた「つくばフォーラム 2020 ONLINE」。 その中の「通信電線線材協会会員」のうち、「電線御三家」と呼ばれる古河電工住友電工フジクラの展示内容について解説です。

古河電工住友電工フジクラ以外の各出展社の展示品については、以下の記事をご参照ください。

rapidliner0.hatenablog.com

古河電気工業

添付ドキュメントに英語版がラインナップされていたのが特徴的でした。

  • 地下用超多心スロットレスケーブル
    • 400心から6912心の間欠接着型スロットレスケーブル
    • 従来品に比べ、細径・軽量
    • 従来品と同等作業性を維持しつつ、実装密度を高めた
    • 2000心製品についての技術解説
  • 光ファイバ融着接続機 S124Mシリーズ
    • 従来機に比べ、作業時間をほぼ半減した融着接続機
      • 接続13秒、加熱補強14秒
    • 製品ラインナップは3種類
    • 他社同等機種
  • 光ファイバ識別機 ID-H/R v3

住友電気工業

  • 小型多心融着接続機 TYPE-201+
    • 主に通信建設工事で使われることを想定した、最大4心対応の融着接続機
    • 幅110mm×奥行き140mm×高さ76mm
      • 幅・奥行きは、郵便はがきもしくは文庫本とほぼ同サイズ
    • 質量770g(バッテリ込)
    • 接続14秒、加熱補強30秒
    • TYPE-201+ 製品解説
  • ホットジャケットリムーバ JR-6+
  • ファイバカッタ FC-8R
    • 光ファイバの接続において、接続に適した切断面を得るための専用カッタ
    • 切断回数カウンターを装備し、刃の交換時期をわかりやすくしたモデルもラインナップ
    • 通信建設工事での使用に適した小型・軽量
      • 幅・奥行きは、名刺より一回り大きい程度
      • 重さは、リンゴ1つ、もしくはコーヒーのロング缶1本程度
    • FC-8R 製品解説
  • FA、FAS、外被把持ターミネーションコネクタ
  • 高機能型光キャプチャ装置
  • コア直視型融着接続機 TYPE-72C
  • 多心融着接続機 TYPE-72M
    • 従来機に比べ、作業時間をほぼ半減した融着接続機
      • 接続11秒、加熱補強14秒
    • 製品ラインナップは2種類
      • TYPE-72M4…最大4心対応
      • TYPE-72M12…最大12心対応
    • TYPE-72M 製品解説
    • 他社同等機種
  • 光接続技術講習会
    • コース内容
      • 光ファイバ融着接続(1日~4日コースのうち1日)
      • 光伝送路測定・光コネクタ組立(2日~4日コースのうち1日)
      • クロージャ組立(2日~4日コースのうち1日)
      • FTTH接続(4日コースのうち1日)
    • 定期講習は横浜にて毎月、大阪にて3ヶ月に1回開催
    • 光接続技術講習会 開催案内
  • ダクトケーブル
  • 低損失スロット型ケーブル
    • 通信事業者の陸上長距離基幹伝送路向け光ファイバケーブル
      • 石英コア低損失大口径光ファイバを採用
        • 住友電工の商品名としては「PureAdvance-110」である
        • 従来の陸上基幹伝送路向け光ファイバケーブル(ITU-T G.653規格準拠)に比べても、さらなる低損失を実現
        • 元々は海底光ファイバケーブルで先に採用された技術である
      • 規格としては「ITU-T G.654.E」準拠
    • さらなる低損失を実現したことにより、以下のような形で陸上長距離基幹伝送路をより低コストで構築できる
      • 光アンプ設置間隔を従来と同一とした場合、伝送装置間の距離をさらに伸ばすことができる
      • 伝送装置間の距離を従来と同一とした場合、光アンプの設置間隔をさらに伸ばすことができる
    • 低損失スロット型ケーブル 関連プレスリリース
  • ノンスロットHSケーブル
    • 間欠接着型光ファイバテープの採用により、細径・高密度実装を実現したHSケーブル
    • そもそもHSケーブルとは
      • 鳥虫獣害が想定される区間に用いられる光ファイバケーブル
      • 外被断面に金属テープを挿入することにより、鳥虫獣害から光ファイバ心線を守る構造である
    • 主に配線点上部で用いられることを目的としたケーブル
    • NTTの仕様品名としては、「SSZ-HSケーブル」「ANSZ-HSケーブル」となる
    • 心線数のラインナップは5種類…24・40・60・100・200
  • DZケーブル
    • 主に配線点下部で用いられることを目的としたケーブル
    • ラインナップは以下
    • 24心・8心ともに物理寸法が同一であるため、同一の専用工具を両ケーブルに対して使用可能
  • 超多心ケーブル
    • 外被径250μm並びに200μmファイバの間欠テープ心線を適用した超多心ケーブルのラインナップ
    • 心線数のラインナップ…432・576・864・1152・1728・3456・6912
      • 6912心ケーブルは、外被径200μmのみ
    • パンフレットは英語版のみ

NTTの加入者線路で使われる架空光ケーブルの種類については、以下の記事を参照いただければ幸いです。

rapidliner0.hatenablog.com

フジクラ

つくばフォーラム 2020 ONLINE、2020年10月29日~10月30日開催

概要

www.tsukuba-forum.jp

2020年10月29日~10月30日、NTTのアクセスネットワークに関する展示会である「つくばフォーラム」が開催されます。 テーマは「スマートな社会を実現する アクセスネットワーク~IOWN構想を実現する革新技術と事業へ貢献する先端技術」です。

つくばフォーラムは、通常NTT筑波研究開発センタ アクセスサービスシステム研究所にて開催されるところです。 しかしながら、今年は新型コロナウイルスの世界的流行に伴い、史上初のオンライン開催にて執り行われます。

なお、参加は以下の対象者のみとなっております。

  • NTTグループ社員
  • 情報通信エンジニアリング協会会員会社社員
  • 通信電線線材協会会員会社社員
  • 全国通信用機器材工業協同組合組合員会社社員
  • つくばフォーラム2020 ONLINE出展会社社員
  • 上記関係者から招待を受けた者

そもそも「IOWN構想」とは何か

www.rd.ntt

テーマに「IOWN構想」という語が唐突に出てきています。 しかしながら、当該構想はNTTの事業構想であり、一般の人には何のことかわからないのではないでしょうか。

というわけで、当ブログでも、別の記事にて説明や見解を記述してみました。 以下に当該記事へのリンクを記載します。

rapidliner0.hatenablog.com

企画展示

「NTT・共催団体・サプライヤーが、単一のテーマに関する展示を集中的に行う」というブースです。 今回は、以下2つのテーマでの企画展示が行われます。

www.tsukuba-forum.jp

www.tsukuba-forum.jp

出展者

以下の企業が出展を行っています。

  • NTT持株会社(研究開発部門)
  • 情報通信エンジニアリング協会会員各社(計17社)
  • 通信電線線材協会会員各社(計26社)
  • 全国通信用機器材工業協同組合組合員各社(計12社)
  • NTTグループ各社(計17社)

NTT持株会社

以下の2本立てとなっています。

  • IOWN構想を実現する革新技術
    • 最新の研究開発に関する技術の展示
  • 事業へ貢献する先端技術
    • 現有インフラ・現在~直近のオペレーションに関する改善成果の展示
IOWN構想を実現する革新技術

www.tsukuba-forum.jp

  • オールフォトニクス・ネットワークの実現に向けた技術研究の現状
    • 光ファイバーケーブルのさらなる技術進化
    • 光信号を電気信号に変換することなくルーティングする技術
    • 広帯域FM一括変換光伝送技術
  • コグニティブ・ファウンデーションの実現に向けた技術研究の現状
    • オールフォトニクス・ネットワークにおいて、ネットワーク種別をまたがってエンドツーエンドで構成要素・リソースを管理制御するイメージの提示
    • 低軌道衛星を利用した衛星MIMO大容量通信技術
    • ユーザ要求と電波状況に応じた通信環境の動的提供
    • ネットワークと端末が多対多となる環境における接続先最適化技術
    • 無線品質の可視化技術
事業へ貢献する先端技術

www.tsukuba-forum.jp

  • 光アクセス・無線
    • IEEE 802.11ahのマネジメント技術
  • 線路土木
    • 地下管路設備における地震被災推定に対し、ビッグデータ機械学習を活用
    • 劣化予測による鉄筋コンクリートマンホールのメンテナンスフリー化
    • ドローンによるマンホール点検
  • オペレーション
    • ユーザ体感に応じたクラウドリソース算出
    • 業務経験のすり合わせによる相談者ペアリング

情報通信エンジニアリング協会会員各社

NTT東西発注工事を元請で請け負う建設事業者による展示です。

www.tsukuba-forum.jp

通信電線線材協会会員各社

NTTのアクセスネットワークで用いられる材料・工具・器具のサプライヤーによる展示です。 「材料・工具・器具」というのは、光ファイバーケーブルから高所作業車まで様々です。

www.tsukuba-forum.jp

全国通信用機器材工業協同組合組合員各社

NTTのアクセスネットワークで用いられる工具・器具のサプライヤーによる展示です。 線材協会会員に比べ、全体として中小規模のサプライヤーで構成されています。

www.tsukuba-forum.jp

NTTグループ各社

以下各社による展示です。

www.tsukuba-forum.jp

「IOWN構想」とは何か

概要

  • IOWN構想は、そもそも誰が何のために発表した構想なのか
  • IOWN構想の読み方・正式名称
  • IOWN構想の構成要素

以上の事柄について説明している記事です。

そもそも誰が何のために発表した構想なのか

www.ntt.co.jp

www.rd.ntt

IOWN構想を大雑把に言うと、「NTTにより2019年に発表された、近未来の情報社会の在り方に関する構想」です。

「何のために」という点については、私としては、以下のような意味合いを持つ構想と解釈しました。

  • NTTグループの中期の事業・研究開発の方向性を示す
  • NTTグループが今後数年から数十年スパンで実現を目指す世界の在り方を示す

読み方・正式名称

IOWNの読み方は「アイオン」です。 IOWNの正式名称は「Innovative Optical and Wireless Network」です。

IOWN構想の構成要素

IOWN構想は、以下3つの構成要素から成ります。

  • オールフォトニクス・ネットワーク
  • デジタルツインコンピューティング
  • コグニティブ・ファウンデーション

オールフォトニクス・ネットワーク

www.rd.ntt

オールフォトニクス・ネットワークは、基本的には「ネットワークから端末まで、全てのノードに光情報処理ベースの技術を導入する」という技術の方向性です。 以下のような技術が関係してきます。

  • フォトニックネットワーク
  • 光コンピューティング

NTT研究所によれば、「オールフォトニクス・ネットワークにより、電力効率100倍・伝送容量125倍・エンドツーエンドの遅延200分の1が実現可能」とされています。

また、オールフォトニクス・ネットワークには、「TCP/IPに代わる新たなネットワークプロトコル体系の確立」という技術テーマも含まれます。 「TCP/IPに代わる新たなネットワークプロトコル体系」については、以下の事柄が示されています。

  • 「大容量・低遅延の伝送を実現するために必要」との考え
  • NTT研究所では、「2021年にリファレンス方式を発表する」というロードマップを示している

デジタルツインコンピューティング

www.rd.ntt

ja.wikipedia.org

デジタルツインコンピューティングは、以下のような構成要素から成ります。

  • 人間のデジタル表現
    • Wikipediaの項目「強いAIと弱いAI」の記事に書かれている中でも、「強いAI」の領域にも足を踏み入れるテクノロジーであろう
  • 複数の仮想世界の掛け合わせによる価値の爆発
    • 社会科学・人文科学の世界との協業も想定されている

特に「人間のデジタル表現」というのは、「強いAIの実現可能性」という領域に足を踏み込む挑戦的技術開発と言えるのではないでしょうか。 テクノロジーとしても、哲学・倫理のテーマとしてもです。

コグニティブ・ファウンデーション

www.rd.ntt

コグニティブ・ファウンデーションは、情報通信テクノロジーの利用段階において、「事業者がどのような価値を提供したいか」「ユーザーがどのようなサービスを受けたいか」に集中できる状態を実現するための諸技術です。 情報通信テクノロジーの利用者を「どのような技術が使われているのか」「どのようにシステムを運用すればよいのか」といった思考から解き放つための諸技術、とも言えますね。

以下のような構成要素から成ります。

  • 自己進化型サービスライフサイクルマネジメント
    • ネットワーク機器から得られる情報以外の、外部世界のイベント等も考慮した情報通信システムマネジメントの実現
    • 情報通信システム自身による自律的な情報通信システムマネジメントの実現
  • 無線アクセスの最適化
    • ユーザーに対し、ネットワーク側から最適な無線アクセスを提案・提供する無線アクセスネットワークの実現
    • 無線アクセスに使われているテクノロジーをユーザーに意識させない無線アクセスの実現
    • NTT内部において、こうした技術は「Cradio」と総称されている
  • 物理ネットワークからアプリケーションサービスまで、あらゆる階層の情報通信リソースの連携・運用の一元化
    • 「情報通信システムを用いたサービスを提供する事業者が、情報通信に使われているサービスの中身を意識しないで済む」という流れが今以上に進む
    • サービスの提供者は、今以上にサービスの中身に集中することができるようになる

まとめ

  • NTT、かなりチャレンジングなテーマにも踏み込んできた
    • TCP/IPに代わる新たなネットワークプロトコル体系の構築
    • 「強いAI」の領域に足を踏み込んだ未来像の提示
  • 情報通信システムは、今後も「内部に使われているテクノロジーをユーザーに意識させない」という方向に進化していくのであろう
    • 「テクノロジー」というものに対し、より意識的であることが求められるようになる

このようなところでしょうか。

電気一式工事、電気通信一式工事

前書き

「電気一式工事」や「電気通信一式工事」という業種は、建設業法上の許可業種としては存在しません。 建設業法上の許可業種として存在する一式工事は、「建築一式工事」と「土木一式工事」の2種類のみです。

一方で、インフラ工事としての電気工事・電気通信工事においては、「電気一式工事」「電気通信一式工事」というべき事業形態が存在すると考えています。 この記事では、そんな「電気一式工事」「電気通信一式工事」について記述してみます。

一式工事とは

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建設業法上の許可業種のうち、「建築一式工事」と「土木一式工事」の総称です。 具体的には、建築・土木それぞれ以下の工事を指します。

  • 建築一式工事…総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事
  • 土木一式工事…総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を建設する工事

建築・土木、いずれにしても「総合的な企画、指導、調整のもとに」というのがポイントですね。 建設業界内部においては、「現場での施工ではなく、施主から直接工事を請ける元請事業者としての職務を指す」と考えられています。

電気工事・電気通信工事における「一式工事」

建設業法上の許可業種としての「電気工事」および「電気通信工事」には、「インフラ事業者発注による、当該事業者がインフラ事業の用に供する設備に対する建設工事」が含まれます。 具体的には、以下のような工事を指します。

  • 電気工事…一般送配電事業者等の発注による、電気事業の用に供する電気工作物に対する建設工事
  • 電気通信工事…通信事業者の発注による、事業用電気通信設備に対する建設工事

上述インフラ工事の類においては、「総合的な企画・指導・調整を専門とする建設業者」と「現場での施工を専門とする建設業者」がはっきりと分かれています。 このうち、「総合的な企画・指導・調整を専門とする建設業者」の方は、「電気一式工事」「電気通信一式工事」と言えるのではないでしょうか。 というか、両方の建設業者を十把一からげに「電気工事業」「電気通信工事業」として扱うと、逆に業界構造がわかりにくくなるのではないでしょうか。

「電気一式工事」の事業者の例

「一般送配電事業者(旧電力会社)と関係が深い電気工事会社」が代表的ですね。

「電気通信一式工事」の事業者の例

「通信建設全国大手3グループに属する事業者」が代表的ですね。

まとめ

建設業法上の許可業種としては、「電気一式工事」「電気通信一式工事」という業種は存在しません。 しかしながら、「インフラ工事」という業界を考える場合、「電気一式工事」「電気通信一式工事」という業種の存在を仮定すると、業界の理解が容易になるのではないかと思います。

NTT通信建設業界は、従事者個人ではどうしようもない要素が多い

前書き

「NTT通信建設業界の業務」は、実に多くの許認可が関係します。

「多くの許認可が関係する事業」というのは、「それだけ参入障壁が高く、業界構造が安定した事業」であるという一面もあります。 しかしながら、それは「仕事の進め方に影響を及ぼす因子として、従事者個人ではどうしようもない要素が多い」ことの裏返しでもあります。

この項目では、「NTT通信建設業界における、従事者個人ではどうしようもない要素」として、以下のような事柄について記述していきます。

  • 建設業関係の法規制
  • 通信事業関係の法規制
  • NTTの有線通信インフラに特有の法規制

建設業関係の法規制

NTT通信建設事業に限らず、建設業には、これから取り上げるような独自の法規制体系が存在します。

建設業法

NTT通信建設事業は、建設業法上、許可業種の一つとされる「電気通信工事」に該当します。 発注者たるNTT各社との間の契約は、建設業法上の「建設工事請負契約」に該当します。

建設業法上の「建設工事請負契約」においては、建設業法上、以下のような特有の規制が存在します。

  • 工事ごとに、法律で定められた要件の技術者を選任しなければならない
    • 元請工事・下請工事問わず、主任技術者の選任は必須である1
    • 一定規模以上の元請工事の場合、監理技術者の選任が必須となる
      • 主任技術者より要件が厳しい
  • 発注者と受注者との間で、契約内容についての書面を取り交わさなければならない2
    • 当該書面には、発注者・受注者双方の署名もしくは押印3が必須とされる

労働法規

NTT通信建設に限らず、建設業というのは、他業種に比べて危険有害業務が多い業態です。 加えて、建設業は、重層下請構造を前提として成り立つ業態です。 ゆえに、各種労働法規においても、建設業をピンポイントに対象とした法規制が多く存在します。

  • 労働安全衛生法上、免許・技能講習・特別教育いずれかを必須とする危険有害作業が存在する
  • 労働安全衛生法上、元請事業者が下請事業者の労働安全衛生について部分的に責任を持たなければならない
    • 元請事業者選任の「統括安全衛生責任者」を頂点とした、下請事業者を含む労働安全衛生管理体制を構築しなければならない
  • 労働者派遣法上、建設現場への労働者派遣は認められていない

社会保険

社会保険の取り扱いについても、建設業は他業種と異なる扱いが存在します。 労災保険における「有期事業の一括」「請負事業の一括」というのがそれです。 建設現場の労災保険は、事業者ごとに構成されるのではなく、「現場単位で元請一括加入」という扱いがなされるのです。

建設業は、労災保険の取り扱いが特殊であるため、多くの他の事業と異なり、雇用保険労災保険が一体化されていません。 雇用保険労災保険、それぞれ別々のものとして手続きが必要となります。 その結果、建設業の社会保険に関する手続きは、他業種には存在しない複雑さをはらんだものとなります。

通信事業関係の法規制

NTT通信建設事業に限らず、通信建設という事業は、「通信事業者発注の通信インフラ工事の請負」を生業とします。 通信建設工事の発注者たる通信事業者に対しては、その事業の公益性にかんがみ、以下のような独自の法規制体系が存在します。

電気通信事業法

有線・無線問わず、「電気通信事業」全般に適用される法規制です。 電気通信事業法のうち、通信建設工事に影響がある法規制としては、以下のようなものが挙げられます。

電波法

無線電気通信は、「電波」という有限な国民共通の財産を用いるため、その事業運営にあたり電波法による規制が適用されます。 通信建設工事においては、「業務の進め方」というよりは、むしろ「業務で用いる技術の内容」に対して制約を課す類の法規制といえます。

NTTの有線通信インフラに特有の法規制

NTTの中でも、「一般加入者向けに、ユニバーサルサービスとしての有線電気通信事業を提供する事業者」であるNTT東西については、NTT法による事業内容の規制が直接適用されます。

特殊法人としての事業内容の規制」が適用されるということは、「政策の変化による事業構造への影響が大きい」ということでもあります。 「工事発注者たるNTTが、政策の変化により事業構造に影響を受ける」という現実は、NTT通信建設業界に対しても、「政策の変化により、突如として市場環境が大きく変化する」という形で及んできます。

まとめ

  • 建設業関係の法規制
  • 通信事業関係の法規制
  • NTTの有線通信インフラに特有の法規制

以上のような規制を受けるNTT通信建設業界は、従事者個人ではどうしようもない要素が多い業界です。 「自分自身の裁量で、独創性を持って仕事を進めたい」という人には、正直言って制約がきつすぎると思います。 一方で、そうした要素を黙って受け入れることができ、安定雇用を心底望む人にとっては、ある意味天国のような業界なのではないでしょうか。


  1. 監理技術者の選任が必要となる場合を除きます。

  2. 書面交付は、民法上の契約成立要件ではありません。あくまで建設業法上の義務にとどまります。

  3. 署名または押印については、契約当事者双方の合意があれば、電磁的方法による代替が可能です。

  4. NTTの有線系通信建設工事においては、「NURO光に関する諸工事」等が該当します。