概要
- IOWN構想は、そもそも誰が何のために発表した構想なのか
- IOWN構想の読み方・正式名称
- IOWN構想の構成要素
以上の事柄について説明している記事です。
そもそも誰が何のために発表した構想なのか
IOWN構想を大雑把に言うと、「NTTにより2019年に発表された、近未来の情報社会の在り方に関する構想」です。
「何のために」という点については、私としては、以下のような意味合いを持つ構想と解釈しました。
読み方・正式名称
IOWNの読み方は「アイオン」です。 IOWNの正式名称は「Innovative Optical and Wireless Network」です。
IOWN構想の構成要素
IOWN構想は、以下3つの構成要素から成ります。
- オールフォトニクス・ネットワーク
- デジタルツインコンピューティング
- コグニティブ・ファウンデーション
オールフォトニクス・ネットワーク
オールフォトニクス・ネットワークは、基本的には「ネットワークから端末まで、全てのノードに光情報処理ベースの技術を導入する」という技術の方向性です。 以下のような技術が関係してきます。
- フォトニックネットワーク
- 光コンピューティング
NTT研究所によれば、「オールフォトニクス・ネットワークにより、電力効率100倍・伝送容量125倍・エンドツーエンドの遅延200分の1が実現可能」とされています。
また、オールフォトニクス・ネットワークには、「TCP/IPに代わる新たなネットワークプロトコル体系の確立」という技術テーマも含まれます。 「TCP/IPに代わる新たなネットワークプロトコル体系」については、以下の事柄が示されています。
- 「大容量・低遅延の伝送を実現するために必要」との考え
- NTT研究所では、「2021年にリファレンス方式を発表する」というロードマップを示している
デジタルツインコンピューティング
デジタルツインコンピューティングは、以下のような構成要素から成ります。
- 人間のデジタル表現
- 複数の仮想世界の掛け合わせによる価値の爆発
- 社会科学・人文科学の世界との協業も想定されている
特に「人間のデジタル表現」というのは、「強いAIの実現可能性」という領域に足を踏み込む挑戦的技術開発と言えるのではないでしょうか。 テクノロジーとしても、哲学・倫理のテーマとしてもです。
コグニティブ・ファウンデーション
コグニティブ・ファウンデーションは、情報通信テクノロジーの利用段階において、「事業者がどのような価値を提供したいか」「ユーザーがどのようなサービスを受けたいか」に集中できる状態を実現するための諸技術です。 情報通信テクノロジーの利用者を「どのような技術が使われているのか」「どのようにシステムを運用すればよいのか」といった思考から解き放つための諸技術、とも言えますね。
以下のような構成要素から成ります。
- 自己進化型サービスライフサイクルマネジメント
- ネットワーク機器から得られる情報以外の、外部世界のイベント等も考慮した情報通信システムマネジメントの実現
- 情報通信システム自身による自律的な情報通信システムマネジメントの実現
- 無線アクセスの最適化
- 物理ネットワークからアプリケーションサービスまで、あらゆる階層の情報通信リソースの連携・運用の一元化
- 「情報通信システムを用いたサービスを提供する事業者が、情報通信に使われているサービスの中身を意識しないで済む」という流れが今以上に進む
- サービスの提供者は、今以上にサービスの中身に集中することができるようになる
まとめ
このようなところでしょうか。