today::エンジニアに憧れる非エンジニア

今のところは、エンジニアとは言えないところの職種です。しかしエンジニア的なものの考え方に興味津津。

電気一式工事、電気通信一式工事

前書き

「電気一式工事」や「電気通信一式工事」という業種は、建設業法上の許可業種としては存在しません。 建設業法上の許可業種として存在する一式工事は、「建築一式工事」と「土木一式工事」の2種類のみです。

一方で、インフラ工事としての電気工事・電気通信工事においては、「電気一式工事」「電気通信一式工事」というべき事業形態が存在すると考えています。 この記事では、そんな「電気一式工事」「電気通信一式工事」について記述してみます。

一式工事とは

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建設業法上の許可業種のうち、「建築一式工事」と「土木一式工事」の総称です。 具体的には、建築・土木それぞれ以下の工事を指します。

  • 建築一式工事…総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事
  • 土木一式工事…総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を建設する工事

建築・土木、いずれにしても「総合的な企画、指導、調整のもとに」というのがポイントですね。 建設業界内部においては、「現場での施工ではなく、施主から直接工事を請ける元請事業者としての職務を指す」と考えられています。

電気工事・電気通信工事における「一式工事」

建設業法上の許可業種としての「電気工事」および「電気通信工事」には、「インフラ事業者発注による、当該事業者がインフラ事業の用に供する設備に対する建設工事」が含まれます。 具体的には、以下のような工事を指します。

  • 電気工事…一般送配電事業者等の発注による、電気事業の用に供する電気工作物に対する建設工事
  • 電気通信工事…通信事業者の発注による、事業用電気通信設備に対する建設工事

上述インフラ工事の類においては、「総合的な企画・指導・調整を専門とする建設業者」と「現場での施工を専門とする建設業者」がはっきりと分かれています。 このうち、「総合的な企画・指導・調整を専門とする建設業者」の方は、「電気一式工事」「電気通信一式工事」と言えるのではないでしょうか。 というか、両方の建設業者を十把一からげに「電気工事業」「電気通信工事業」として扱うと、逆に業界構造がわかりにくくなるのではないでしょうか。

「電気一式工事」の事業者の例

「一般送配電事業者(旧電力会社)と関係が深い電気工事会社」が代表的ですね。

「電気通信一式工事」の事業者の例

「通信建設全国大手3グループに属する事業者」が代表的ですね。

まとめ

建設業法上の許可業種としては、「電気一式工事」「電気通信一式工事」という業種は存在しません。 しかしながら、「インフラ工事」という業界を考える場合、「電気一式工事」「電気通信一式工事」という業種の存在を仮定すると、業界の理解が容易になるのではないかと思います。