today::エンジニアに憧れる非エンジニア

今のところは、エンジニアとは言えないところの職種です。しかしエンジニア的なものの考え方に興味津津。

【まとめ】#ssmjp 2019年06月(第1回)…岡島康憲さん回

毎度恒例、「アウトプットしないのは知的な便秘」を座右の銘とする運用系(?)発表会、#ssmjp。当日最長時間を割いて行われたメインの発表は、年に一度の岡島康憲さん近況発表でした。

日本の常識、世界の非常識。見本市にもそれが見えるという話

岡島さんによると、欧米の技術見本市は、相応に高額(日本円で8万円とか12万円とか)の入場料を徴収するものが多いのだそうです。一方で、日本の技術見本市は、私の観測範囲においても、入場無料や入場実質無料(事前登録や招待券持参で無料)というものが多いです。

日本と欧米では、見本市ビジネスの成長段階には確かに違いがあるのかもしれません。しかしながら、岡島さんの問題意識は、「それにしても日本の見本市関係者は自分の価値を安売りしすぎなのではないか」というところに行っていました。

  • お客様の言い値で仕事に応じてしまう
  • 自分の価値を安売りしすぎる
  • 足元を見られているのがわからない

思い起こしてみれば、このあたりは、日本のクリエイティブ界隈が抱える闇として、Twitter上などでよく目にする話です…

欧米のビジネスマンのすごさ

岡島さんの話によると、CxOクラスの経営幹部の人たちも、日本円にして入場料金数万円の見本市に来られることは多いのだそうです。

欧米のビジネスマンは、マネジメント位階の上下を問わず、自分に課せられたミッションを、自分の言葉で説明できるほどに、自分の中に落とし込んでいる…それが強みなのだそうです。つたない英語であっても、「何をしたい」というのを明確にきちんと提示できれば、そのまま突っ込んだ商談まで行くことも多いのだとか。

このあたりについては、Webメディア等の記事でも、日本企業の担当者が苦手とすることとして取り上げられていたのを見た記憶があります。誰がどれだけの権限を持っているのか、外から見てわからない。そもそも従事している人自身が、自分に課せられたミッションをわかっていない。日本企業の病理あるあるなのではないでしょうか…

少なからぬ日本の職場に見られる、仕事の進め方の深刻な問題点

  • 仕事のパフォーマンスを正当に評価するのが不得手である
  • 生み出した成果ではなく、かけた労力が評価される傾向が強い
    • 必要以上に疲れてしまうし、疲れている人が社会的に高い評価を受けてしまう
  • 自分の仕事の内容を説明できない人が多い

何もかも欧米のマネをしろということではないにしても、「会社組織に依存しない生き方」を考える上では、欧米的なモノの考え方は確かに意識しなければならないと思います。評価担当者に自分が求める報酬の正当性を説明するための根拠立てとか。社外から見た自分の評価を上げることを見据えた働き方とか。必要なときにきちんと休暇を取れるようにするための仕事の切り分けとか。

スタートアップ側の人たちと一流大企業の人たち、その時間の流れの違い

個人事業主やスタートアップ企業は、一流大企業に勤める人からは想像もつかないほど目まぐるしい時間の流れの中で動いている。そうした人たちにとって、時は金なりである」という命題。目まぐるしい時間の流れの中で動くゆえの、時間の有限性に対する強い意識。特に一流大企業サイドからスタートアップ側へのアプローチの際には、よくよく留意しておかなければならないと思います。

特に保守的な業界に顕著とされる、「稟議スタンプラリー」と揶揄されるような儀式化した手続き群。誰がどれだけの権限を持っていて、誰を窓口とすればいいのか、それがわからない複雑な組織。…スタートアップ側の人たちにとって、そうした組織にリソースを奪われるのは致命的ですらあると思います。

私の立場から見ると、岡島さんなどは明らかに時間の流れが早い世界の住人です。いやむしろ私自身は、観測範囲における時間の流れが遅いことに不安や危機感を抱いているという立場です。

スタートアップ側における時間の流れについて、スタートアップ側の人が話をするのを聞ける。そんな機会を提供してくださったssmjp。出会えてよかったです。私もできることからやらねば。

頑張れなかった人達の増加スピードが人の寿命を上回っている 、という問題

頑張れなかった人たちの増加、といえば。それゆえに顕在化した新たな社会トレンドの出現も最近顕著になっていますよね。

ブロック経済第二次世界大戦の大きな原因となった」という歴史に思いを馳せると、「戦争にまで突っ走らないようにするために何ができるのだろうか」ということまで考えてしまいます。個人の観測範囲を超えちゃってます。つらい。

余談

あっ、この記事書いた時点で、次回#ssmjpは早くも明日ですね。