↓以下のスライドの発表内容を踏まえての記事です。 speakerdeck.com
アウトカムとは
「施策や事業の実施により得られた効果・成果」という意味の言葉です。「アウトプット」ではなく「アウトカム」という場合、とりわけ「効果測定指標を主体的に設定し、設定した指標に対する効果を明確に示す」というニュアンスが強調されます。
ある国土交通省の資料では、「アウトプットとアウトカムの違い」について、以下のように言及がなされています。
例えば、「交通安全の推進」という施策を構成する「歩道の設置」という事業があるとすれば、「歩道を年度内に○○m設置する」というのがアウトプットであり、その成果として「交通事故件数が減少する」ということが「アウトカム」です。
波田野氏は、「アウトカムは、運用エンジニアにとってもっとも大事な視点である」としています。
アウトカムの重要性
- ビジネスとは、世の中に価値を提供するものである
- サービスというのは、アウトカムが得られてこそその価値を評価できるものである
以上の命題は、確かにそのとおりだと思います。
請負ビジネスの問題点
個人的には、「請負・分業に立脚するビジネスモデルが自らの中で常識となってしまうと、アウトカムに対する意識が疎かになる」ような気がします。「請負・分業に立脚するビジネスモデル」というのは、末端の従事者からすると、どうしても「最終的に利便を享受する者の姿が見えないままに、部分的な作業ばかりに従事し続ける」という形になってしまいがちであるからです。
経営とアウトカム
「ビジネスとは、世の中に価値を提供するものである」というのが至上命題としましょう。その前提で「運用」というフェーズは、「すでにサービスを使っている人に対して、継続的に価値を提供し続ける」というフェーズに位置づけることができると思います。波田野氏は、「すべてのステークホルダーの幸せを最大化する、それが運用のアウトカム」と言及しておりました。
運用のアウトカムを最大化するために、経営陣に求められること。それについて波田野氏は、「アウトカムに反するインプットは、役員会クラスでの議論を経て、果断にリジェクトしていく必要がある」と述べていました。
運用エンジニアとアウトカム
波田野氏は、「運用エンジニアとアウトカム」について、以下のように述べていました。
- 運用エンジニアは、アウトカムを実現するために思考し続ける
- 運用エンジニアは、アウトカムを実現するために思考し、実装し続ける
- 思考は活動、実装はアウトプット
ssmjpそのもののテーマである「アウトプットしないのは知的な便秘」というのはまことに至言です。しかしながら、「アウトカムに結びつかないアウトプット」というのも不幸なものです。「そのアウトプットはどのようにアウトカムに結びつくのか」という点は、とりわけ私自身が弱みを感じている点なので、よくよく注意したいところです。
最後に
皆さんが運用業務で実現したいアウトカムは何ですか?