today::エンジニアに憧れる非エンジニア

今のところは、エンジニアとは言えないところの職種です。しかしエンジニア的なものの考え方に興味津津。

事業モデルと報酬モデルについての話

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私個人としては、上述日経スタイルの記事における「品質や正確さを求めるビジネス」というのは、アウトブレインの記事における「受注・請負型のビジネス」と相当部分が重なるのだと考えています。また、所謂SIerという業態も、間違いなく日経スタイルの記事で言うところの「品質や正確さを求めるビジネス」なのだと思います。

受注・請負型のビジネスに市場報酬を求めることのミスマッチ

受注・請負型のビジネスというのは、安心や品質といった目に見えないものを付加価値として売るビジネスモデルです。安心や品質といったものに対する評価は、従業員個人よりもむしろ会社に蓄積されていくものです。「過去から現在に至る社歴の中で、会社が生み出した付加価値が収益の源泉である。従業員はそのおこぼれに与る」という形になるのは、多かれ少なかれ不可避であろうと考えています(少なくとも私個人の考えとしては)。そうしたビジネスモデルの中に生きている社会人の市場価値は、外部から見て低いものとならざるを得ません。「受注・請負型のビジネスに市場報酬を求めること」というのは、「外部から見て評価されない価値に対して、外部から見ての評価に基づく報酬を求める」という点でミスマッチなのだろうと思います。

SIer脱出を望む人たちが、少なくとも年功報酬の企業から脱出することの正当性

一方で、しがないラジオのリスナー層や完全SIer脱出マニュアルの読者層というのは、「売上やシェア拡大が求められるビジネスに身を置いて、自身のキャリアアップを求める」という志向の人が多いでしょう。終身雇用を望む人が「SIer脱出」とかいうキーワードに反応はしないでしょうし。「企画・見込型ビジネスを望み、市場価値での評価を望む人が、受注・請負型ビジネスに身を置き、年功報酬で評価されている」というのは、字面を見るからに不適切な現状です。それが現状なのであれば、確かに転職が最適解になりますよね。会社のビジネスモデルも本人が求めるものと違いますし、会社が求める人材層も本人の志向と違うわけですから。