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元請通信建設会社にとって、サービス総合工事の元請会社変更は一大事

概要

rapidliner0.hatenablog.com

NTT東西のサービス総合工事(サ総工事)を受注する元請事業者は、エリア別に見た場合、一般には長期にわたり同一の事業者となります。しかしながら、何らかの理由により特定エリアのサ総工事を受注する元請事業者が変更されることは皆無ではありません。

実際に特定エリアのサ総工事を受注する元請事業者が変更されたら、元請事業者から見て何が発生するか。この記事では、その内実について記述していきます。

元請通信建設会社におけるNTT東西発注工事の施工体制

元請通信建設会社から見た場合、NTT東西発注の通信設備工事の施工は、一般に以下のような体制で行なわれます。

  1. 元請会社は、発注者たるNTT東西から通信設備工事を受注する
  2. 元請会社は、NTT東西から受注した通信設備工事を、地域別に設立した連結子会社に下請発注する
    • 設計実務・施工管理実務も地域子会社に外注する
    • 現実には、「元請会社従業員が地域子会社に出向して設計実務・施工管理実務を担う」というケースも多い
  3. 元請会社の地域子会社は、元請会社から受注した通信設備工事を、各協力会社に再下請発注する
    • 昨今は、元請会社が各協力会社に直接下請発注するケースも増加している
    • 現場における技能労働は協力会社の従業員・一人親方等が担う
    • 元請会社およびその地域子会社が設計実務・施工管理実務の一部を協力会社に外注する場合がある

元請会社は、「施工管理の現場実務については、自らは法律等に定められた最低限の業務のみを行ない、できる限り連結子会社・協力会社に外注する」という方向性で動きます。特にサ総工事において、このような傾向は顕著に現れるものです。

サービス総合工事の元請会社が変更されたら何が起こるか

サ総工事の元請会社が変更されると以下のような事態が起こります。

  • 以前の元請会社の地域子会社が、新しい元請会社から暫定的に施工管理実務を受注する
    • 期間は「新しい元請会社の地域子会社による施工体制が確立されるまで」
    • 元請会社変更時点では、以前の元請会社の地域子会社が施工管理実務の多くを担っている
  • 新しい元請会社は、当該サ総工事エリアで事業を行なっている協力会社に対し、自身や連結子会社の工事の一部を下請け発注する
    • 「元請会社の変更を機に、新しい元請会社と親密な協力会社が工事を新規受注する」というケースも少なくない
  • 新しい元請会社の地域子会社が、当該サ総工事の施工管理実務を担うための体制を新規整備する

「施工実務を担う地域子会社が、以前の元請会社の系列会社から、新しい元請会社の系列会社に入れ替わる」という過程は一大事です。新しい元請会社の地域子会社は、「要員手配・組織整備・地域事情への習熟」等のプロセス整備を行なう必要があります。これらのプロセスを完了させ、新しい元請会社による施工体制を確立するには、一般に数年の月日が必要となります。

数年かけて施工体制を確立するだって?

「施工体制の確立に数年の月日を要する」というのも、よくよく考えると悠長な話です。そのような悠長な話が成り立つ理由としては、以下のような事柄を挙げることができます。

  • 発注者たるNTT東西と元請通信建設会社の関係が安定的である
    • 対象設備のユニバーサルサービス性・自然独占性等により、当該関係性は将来にわたり安定的であることが期待できる
  • 通信建設業界では、「元請会社が自身の地域子会社に施工管理実務の大半を外注する」という体制が一般的である
    • 外注体制の再構築は一大事
  • サ総工事のエリア別元請会社の変更は、10年以上に1回あるかないかである

…「そのような悠長な話が成り立つほどに業界構造が安定している」ということですね。