today::エンジニアに憧れる非エンジニア

今のところは、エンジニアとは言えないところの職種です。しかしエンジニア的なものの考え方に興味津津。

建設業界

通信建設線路系工事特有の危険性、「張力の内側」とは何か

通信建設のうち線路系の作業現場においては、特有の危険性として「張力の内側」という概念に頻繁に言及されます。一方で、「張力の内側」という概念への言及がなされるのは、ほぼ通信建設、それも線路系の作業現場に限られます。「張力の内側」は、一般には…

現代建設業と親方請負制

現代の建設業における重層下請構造は、実態として明治以来の親方請負制と大きくは変わらないものであると思います。そうした現実が法制度の前提とかけ離れていることが、特に職業安定法制から見て建設業がアンタッチャブルな存在とされるに至った原因ではな…

私製「情報配線施工技能者」のCCUS能力評価基準

情報配線施工技能者には、現時点で建設キャリアアップシステム(CCUS)能力評価基準を作成できるだけの資格体系が存在します。しかしながら、これらの資格体系は、現時点でCCUS上の位置づけが存在するものではありません。というわけで、私的に「情報配線施工…

通信建設業界の問題地図

高いNTT依存度高いNTT依存度NTTグループからの転籍者を受け入れる慣習NTTグループからの...新卒入社の従業員の経営参加が困難新卒入社の従業員の 経営参加が困難NTTファミリーとしての意識の存在NTTファミリー...全国転勤の存在全国転勤の存在発注動向の地域…

公共工事の問題地図

沢渡あまね氏発表「地方都市の問題地図」に着想を得た、「公共工事の問題地図」及びその解説です。

NTT加入者線路設備工事の実施設計は、こんなことを考えて行われている

「NTT東西のサービス総合工事における実施設計」について、「何が求められるか」「実際どのような考え方に基づいて設計を行うか」を記述した記事です。情報通信エンジニアリング協会主催「アクセスデザインコンテスト」の課題内容についての簡単な解説も行っ…

新入社員研修と安全衛生教育の違い

私の現所属企業・現所属部署における新入社員研修は、世間一般における実態と大きくずれているのではないかと考えています。どこがずれているのか、世間一般における新入社員研修とはどういったものなのか。私個人としては、「新入社員研修と安全衛生教育の…

建設業は、日々「請負」という言葉の多義性に頭を抱えながら商売をする

建設業は、請負に立脚して成立する業種です。建設業に関係する限り、「請負」という概念は業務に常に付いて回るものです。 しかしながら、建設業に関係する各種法律において、「請負」という概念は常に一つのものを指し表しているわけではありません。適用対…

ランプサム契約考

ランプサム契約とは 「事前に全ての仕様を決定し、総額のみで価格契約する」という形態の請負契約を指します。英語の「lump sum contract」をそのまま日本語化したものです。日本語では「総価請負契約」「一式請負契約」「総価一式請負契約」などと称されま…

建設業に関係する官庁の多さ

概要 建設業は、その事業活動に関係する官庁が多い業種です。 事業活動に関係する官庁が多いゆえの問題も発生します。 この記事では、以下の事柄について記述していきます。 建設業に関係する官庁 事業に関係する官庁が多いことによる問題点 建設業に関係す…

町場、野丁場、新丁場…丁場とは

丁場とは www.tatsunogumi.com www.architectjiten.net 建築業界1用語に、「丁場」というものがあります。 「『請負契約の形態』『工事内容・工事規模』などの違いにより、建築工事を分類する」という目的で使われる言葉です。 総称としての丁場は、さらに「…

情報通信エンジニアリング協会「基礎研修2020」実施模様

概要 2020年度 基礎研修実施模様(PDF) - 情報通信エンジニアリング協会 2020年夏、情報通信エンジニアリング協会が開催する2020年度基礎研修が実施されました。 この記事では、その内容について記述していきます。 基礎研修とは NTT工事を元請受注する通信建…

情報通信エンジニアリング協会「安全の鉄則」構成

概要 NTT東西発注の通信建設工事は、情報通信エンジニアリング協会正会員16社により寡占的に行われています。 当該16社においては、共通の安全作業ルールが設定されています。 それが「安全の鉄則」です。 当記事では、情報通信エンジニアリング協会「安全の…

電気一式工事、電気通信一式工事

前書き 「電気一式工事」や「電気通信一式工事」という業種は、建設業法上の許可業種としては存在しません。 建設業法上の許可業種として存在する一式工事は、「建築一式工事」と「土木一式工事」の2種類のみです。 一方で、インフラ工事としての電気工事・…

NTT通信建設業界は、従事者個人ではどうしようもない要素が多い

前書き 「NTT通信建設業界の業務」は、実に多くの許認可が関係します。 「多くの許認可が関係する事業」というのは、「それだけ参入障壁が高く、業界構造が安定した事業」であるという一面もあります。 しかしながら、それは「仕事の進め方に影響を及ぼす因…

施工管理・現場監督は、どうしても年功序列の要素が強くなる職業である

概要 施工管理・現場監督という職業は、どうしても年功序列の要素が強くなります。 以下のような理由から、どうしても経験年数がものを言うためです。 事業構造上、イテレーションのサイクルが長い 「強くなる方法は、実務経験によってしか得られない」とい…

大規模工事の元請企業は、「自分の力で稼ぐ」という意識が希薄になりやすい

概要 大規模工事の元請企業に勤めていると、「自分の力で稼ぐ」という意識が希薄になりがちです。その理由として、以下4つの要素について記述していきます。 扱う金額のスケールが大きすぎる 長期の掛売りをベースとした取引慣習が存在する 外部調達の比率が…

一般的なプロジェクトマネジメントと、建設業の施工管理の相違

前書き 一般的なプロジェクトマネジメントと建設業の施工管理。 「利幅を確保し、要求品質を満足し、納期までに完成させる」という目的は同じです。 それゆえ、以下のような業務が存在する点については類似しています。 工程管理 原価管理 品質管理 しかしな…

民間において多分最後まで転勤がなくならないであろう仕事、それは「全国展開の建設業の施工管理職」

前書き 「転勤」というものに対する世の中の考え方の変化が進んでいます。 「転勤は人権侵害」「制度としての転勤を原則廃止」といった考え方も、NHKでも以下のような特集が組まれる程度には定着してきました。 www3.nhk.or.jp www.nhk.or.jp しかしながら、…

NTT通信建設事業の施工管理職を望む人へ

前書き 「NTT通信建設事業の施工管理職の働き方」というのは、「従事する人の価値観に対する要求が厳しい働き方」に属するものです。 NTT通信建設事業事業の施工管理職に従事する人は、どのような価値観や働き方を求められるのか…この記事でそれを書いていき…

「建設工事に従事する一人親方」は、「IT系フリーランス」と異なり、業界全体で問題視される存在である。その違いは何か

導入 業務の危険有害性 現場の安全衛生マネジメントの実際と、その中における一人親方の立場 労働安全衛生法上の「特別教育」について 建設工事に従事する一人親方の労災保険加入 労働安全衛生法における、建設業の特別扱い 建設工事に従事する一人親方の労…

「工事」という言葉の意味 - 電気事業、電気通信事業において

「事業用電気工作物、特に電気事業の用に供する電気工作物を相手とする電気工事」および「事業用電気通信設備を相手とする電気通信工事」については、「工事」という言葉の意味は2つある、という話です。 インフラ事業の業法における用語としての「工事」 電…

建設業、究極の選択を迫られる

※法的内容について記述した記事です。内容の正確性には注意していますが保証できません。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。 toyokeizai.net 昨今社会を大きく揺るがしている「新型コロナウイルスの感染拡大」に起因し…

リトラクタ式墜落阻止器具と、その呼称を考える

リトラクタ式墜落阻止器具とは 建設現場等で用いられる墜落阻止器具の一種に、「リトラクタ式墜落阻止器具」というものがあります。全体としては、以下のような働きをする器具です。 高所への昇降が伴う作業の際に用いられる 高所作業車を用いない電柱上にお…

監理と管理、この似て非なる言葉

建設業において、「カンリ」と読む重要概念は2つあります。「監理」と「管理」です。読み方が同じで大変紛らわしく、業界内部でも混同されることが多い言い回しなのですが、この2つの言葉が指す概念はそれぞれまったく異なります。 監理とは 工事監理者の職…