today::エンジニアに憧れる非エンジニア

今のところは、エンジニアとは言えないところの職種です。しかしエンジニア的なものの考え方に興味津津。

【読書感想】運用☆ちゃんと学ぶシステム運用の基本 - 発展

運用☆ちゃんと学ぶ システム運用の基本

運用☆ちゃんと学ぶ システム運用の基本

【読書感想】運用☆ちゃんと学ぶシステム運用の基本 - 思い当たった現職の問題 の続きです。

運用設計

使う側にとって使いやすいシステムであることは重要です。使いやすくなければ、早々に使われなくなってしまう。 保守する側にとって保守しやすいシステムであることは重要です。保守しやすくなければ、保守スタッフに過大な負荷がかかってしまう。

実際の運用場面をイメージし、使いやすいシステムとするために設計段階で最善を尽くす、それが理想です。…けれど、実際にはそう行っていない。現職でもあるあるです。例えば以下のような問題があります。

  • 「運用側から見た使いやすさ」より「お客様との力関係」によって導入するシステムが決まっている面が強い
  • 運用ドキュメントの管理が一元化されておらず、部署などを単位として、運用そのもののサイロ化が発生している

「業務内容の関係上、特定部署しか使わないシステム」だと、当該部署に運用丸投げなのが現状なのですよ…

今後の情報システムの現場が進む方向性

開発はなくなっても、運用業務は残る!運用ノウハウは生きる!

著者の沢渡氏により、このことが太字で力説されていました。そうあってほしいものです。

運用業務の実績が正当に評価される業界構造を作り上げ、未来に引き継ぐ義務。その義務が情報システムの現場にあるとも思います。当たり前品質の壁を超えるために、私も何かできることをしたいものです。

DevOps

DevOpsにせよアジャイルにせよ、抽象的領域にまで踏み込んだ概念であるゆえ、説明・実践はなかなか難しいものです。そもそも抽象的領域に踏み込んだ概念をわかりやすいように説明するのは難しいです。しかも、情報システムの現場が一括請負ありきで動く日本的な社会慣習からすると、相当に異質な考え方であるという現実もあります。

特に、建設業の業界慣習が常識になっている会社だと、企業風土的にDevOpsはかなり難しいのではないかと思っています。私の所属会社(建設業の一種である電気通信工事を生業としている)がまさにその例です。建設業においては、一括請負契約が業界慣習上も当たり前となっており、一括請負契約においては、契約締結の時点で成果物を明確に定義しなければならないのです。それでも、できるところからやってみることが何かを変えると信じたいです。

今後の情報システムの現場が進む方向性

設計・開発が減少し、構想・運用の地位が高くなるという方向性が示されていました。

私としては、情報システムの二極分化が進むのだろうなという感想を持ちました。大規模、既存資産が巨大、あるいはミッションクリティカルな情報システムはオンプレミス・ウォーターフォール型で生き残るでしょう。そうでないシステムは、クラウド化・サービス化が進むでしょう。

結び

  • 非エンジニアだと思っていた自分にも、運用エンジニアと思しき仕事があることに気づいた
  • 運用の現場って、想像以上にエキサイティング
  • 運用スキルは、極める価値がありそう

非エンジニアの方であっても、仕事の進め方に悩みを持つ社会人であれば、この本を読んで何らかの気づきが得られるのではないかと思います。自信を持っておすすめしたいです。

追記

去る5月8日、『運用☆ちゃんと学ぶ システム運用の基本』出版記念!大喜利&クイズ大会というイベントがあったようです。 私がこのイベントの存在を知ったのは当日の夕方で、しかも楽天で購入した中古ノートPCの到着日を当日と勘違いしていた(実際には翌9日着)ため、「家にいなければならない」と考えてしまい、結局当イベントには行けずじまいでした。イベントの存在を知った時に強い興味を持った、それだけに悔しいです。この失敗は繰り返さないぞ! #運用ちゃんデプロイイベント