転職透明化らぼ x kiitok - スタートアップ企業の見分け方編の一発表の感想まとめです。
パネラーのプロフィール
今回パネラーを務めたAkira Miki氏は、「新卒でNTT系SIerに就職し、以降、スタートアップ6社を渡り歩いてきた」という人物でした。スタートアップ6社というのは、いずれも中小企業基本法でいうところの「中小企業」の定義に該当する企業です。そのため、本人も「メガベンチャーの状況には詳しくない」という趣旨のことをおっしゃっていました。
求職者側も、ビジネスとしての発展性を判断する必要がある
スタートアップビジネスというのは、「生株にせよストックオプションにせよ、会社が失敗したら紙切れ」という世界です。ゆえに、求職者側にも経営の知識が求められます。具体的には、以下のような知識です。
- ビジネス的知識
- 資本政策についての知識
- 会計知識
そのような知識を駆使し、「3年から5年コミットし続けられるか」を判断する。それが、スタートアップビジネスに身を投じる求職者側に求められる…スタートアップビジネスとはそういう世界である、と認識しました。
求職者がスタートアップビジネスに身を投じるにあたってのリスク
スタートアップビジネスには、労務的に以下のようなリスクが存在するのは否定できません。
- 過度に少ない報酬
- 過度に多い労働時間
- 過度に少ない福利厚生
- 倒産リスク
「過度に少ない福利厚生」については、「福利厚生はメンバーが自分自身で作るもの。会社に必要なのは、社員の意見に耳を傾ける能力である」という話をされていました。確かに、スタートアップという世界は、「与えられるもの」感覚だと全くやっていけないですよね(あらゆるものを会社から与えられる働き方を望む人こそ、既存の仕組みを維持することを生業とする大企業で仕事をすべきかと思います)。
「倒産リスク」については、「倒産はリスクではないと割り切るくらいの胆力が欲しい」という話をされていました。実際問題として、中の人たちにとって「以下のような事柄は当たり前である」というのは、確かに当てはまると思います。
- ベンチャービジネスにおける転職
- スタートアップビジネスにおける倒産
また、「自分の期待と、実際に会社でやること」の間にもギャップが発生することは否定できません。とりわけ少ない人数で仕事を回さなければならないスタートアップにおいて、分業というのはあってないようなものであり、「目先やりたくないと思えるようなことであっても、やらなければならないとき」というのが発生することは覚悟しなければならないでしょう。Akira Miki氏は、求職者にとってそのとき最も大事なものとして、「自分のやりたいこと・やりたくないことの許容幅」を挙げていました。
Reproの取り組み
Reproにおいては、「会社の実態を見てもらうことを目的とした1day work trial」という取り組みを5年位続けているそうです。文字通りの「一日就業体験」です。「1日でもいいので、実際に仕事してみる」というのは、以下のような場合には特に有効なように思います。
- 日常業務もあり、そう長い期間をとることができない既卒者の転職活動
- 企業が収益を得るまでのプロセスについての知識があることが前提と成る社会人の転職活動
エンジニア的な働き方をしてきた社会人となれば、1日の仕事でも、社風や仕事の進め方など、ある程度のことはわかるのではないでしょうか。